彼はクローゼットから新しい下着を取りだすとそのままタオルの下から履き、
上はラフなTシャツ、下はバスケ部がはいてるようなハーフパンツを履いた。
まさに爽やかスポーツマンらしい姿だ。
「け、慶一君、バスケ部だったんだっけ?」
高鳴る鼓動を隠そうと平然を装って聞く。
「はい!これも高校の時のです!」
言いながらテーブルを囲んで座り、手際よく酒を並べる。
乾杯!と言いながら缶ビールをぶつけ、またもや勢いよく飲み始めた。
「全然、強いじゃん」
「いや、飲まないとなんか、間が持たない気がして」
ハニカミながら言う彼に、ちょっとしたイタズラ心がわいてくる。
何があっても、冗談でした!で済ませそうな空気に、
酔ったふりをしていつもなら絶対しないような行動に出てみた。
「慶一君って、彼女いないんだっけ?」
そう言いながら、彼のほうへと少し距離をつめる。
「はい、なかなか良い出会いがなくて」
「理想が高いんじゃない?
顔も良くて性格も良いのに。身体つきも男らしいし……」
柔らかい手つきで、腕の辺りを触る。
程よく太く固く、締まっている。
「い、いや〜。やっぱ最近は、面白くないと駄目みたいなんですよね!」
ちょっと焦っている。
でも、いやがっている素振りはない。
「へぇ、俺は面白いと思うけどな」
「え?そ、そうっすか…」
彼は照れたように笑う。
「俺のほうこそ面白みはないし、ぶよぶよだし。
ほら、二の腕とかこんなんだよ」
笑いながら差し出すと、彼は何気なく触ってきた。
「はは、柔らかくて、なんか気持ちいいっすね」
「やば、くすぐったいよ。俺、敏感なんだ」
と言って身をよじってみせる。
「マジッすか。どれどれ!」
調子に乗った彼はまるで小学生のような無邪気な感じで迫って、
身体をくすぐってきた。
「あっ、やめっ、駄目だって!エッチだなーもう!
あはは!く、くすぐったい!」
軽く抵抗して言いながらベッドのほうへと逃げるように移動した。
彼も追いかけるようにして移動してくる。
「どうせこんな風に女子とエロいことしてんだろ!
あー、やだやだ!」
と冷たく言うと、
「そんな!したことないですよ!
俺、まだ、ですから……」
と、しゅんとへこんでしまった。
予想外の返事に自分は慌てて、
「うそ!?ご、ごめん、で、でもそんな気にすることないと思うけど!」
すると、彼が身を乗り出して自分の横に位置取り、
「き、キスってどんな感じでするんですか?」
と、いきなり真顔で聞いてきた。
「は!?いや、まぁ、普通に。
ってか、俺もそんなしたことないし……」
「あ、あの、してみて良いですか!」
目をそらす自分にグイグイと迫ってくる。
「は!?いや、俺男だし!」
「分かってます!でも俺、下手くそだって思われたくないし……。
ほら、いざというときの練習に!」
「い、いや、別に減るもんじゃないから、俺はいいけど、
初めてが俺なんかでいいの…?」
「はい!それは関係ないです!」
正直なんか、それはそれで複雑だけど……。
「わ、分かった。ど、どうぞ」
と言って、テーブルにあった缶ビールを一口飲む。
彼もつられるようにして飲むと、向き直ってこっちを見ながら、
「い、いただきます!」
なんだそれ!という突っ込む間もなく、
彼の整った顔が近づいてくる。
「んっ……」
温かい唇の感触。
少し離れて、反射的に閉じていた目を開けると、
こっちを真剣な顔で見つめている。
「ど、どうすか……?」
「い、いや、フレンチすぎるような……?」
ドキドキしながら言うと彼はまた口付けてきた。
さっきよりも強く、しかも舌を入れてきた。
(うわ、や、ヤバい……)
自分もそれに応える。
チュッ、チュク、チュッ。
「はっ、んんっ!」
(やば、気持ちいいっ)
「ビール味だ」
彼はニヤりと言って、また口づけてくる。
初めてといってたわりに、なんか慣れてるような。
クチュ、クチュ、チュッ。
ぬるりとした彼の舌が、自分の口の中を侵してくる。
頭がボーッとしてきた。
「はっ、…っ。んっ!?」
突然、身体が電気が流れるように痺れる感覚が走った。
彼が胸をまさぐってきたのだ。
「だ、ダメだって。んッ!」
「すみません、でも気持ち良くて止まんないっす!
気持ちよくないっすかコレッ……」
言いながら、乳首を摘まんでくる。
「うっ、ばっ、気持ちいいけどっ!」
焦る気持ちに、えーい!もう知らん!とばかりに、
彼を押し倒してシャツを捲った。
彼は突然のことに、え?え?と戸惑っているのが表情から伝わってきた。
俺はニヤリと笑った。
「もっと気持ち良いこと、教えてあげる」
あらわになる、程よく鍛えられた上半身。
厚い胸板から割れた腹筋を手で撫でるようにして触って、乳首に口付けた。
「――っ!」
彼の綺麗な身体がびくりと跳ねる。
構わずペロペロと舌先で突起を刺激する。
「あ、あー、ヤバいっす、それ、ぅ…っ」
見れば腕で顔を隠しているが明らかによがっているのが分かった。
ペロペロと舐めながら、時折チュッと音を立てるように吸ってやると、
そのたびに身体がビクッと反応する。
「気持ちいい……?」
はむはむと刺激しながら聞くと、
「は、はい、めっちゃヤバいっす……」
掠れた声で言う。
交互に舐めながら股関に手を伸ばすと、
ギンギンに硬くなった彼のモノがあった。
「あぁ、や、そこは駄目ですっ」
なんて今更だ。
言葉を無視して、やんわりと擦ってやる。
「っ…。はっ…うぅっ……」
彼は口をギュッとくいしばってこらえてるが、
時折漏れる喘ぎ声が自分を興奮させた。
流れるままに脱ぎかかったシャツを脱がせ、自分もパンツ一枚になる。
「こうするともっと気持ちいいから……」
と言って、彼に多い被さるようにして身体と身体を重ねあわせた。
彼の引き締まった身体に、自分の身体を密着させ上下に擦りあわせる。
温かい感触が身体中を駆け巡るように快感として押し寄せ、
乳首同士が当たるとお互いが喘ぎ声を漏らした。
意識して股間も押し付けてやる。
「う、うっ、はっ!や、ヤバ、っ!」
彼は恥ずかしいのか、両腕で顔を隠している。
あらわになっている脇に顔を近づけてペロペロと舐めてやる。
少ししょっぱいけど、運動しているから変な匂いはせず、
むしろ凄く興奮するなんとも形容しがたい香りだ。
「美味しい」
そのまま、また胸元あたりから二の腕、
脇の下をくちゅくちゅと音を立てて舐める。
身をよじってよがる彼の姿がエロすぎる。
腕をすっと外して肌を擦り寄せながらキスをすると、
彼は抵抗せず、むしろ積極的に絡ませてきた。
「んっ、んっ、は……っ!」
チュッ、くちゅくちゅ。
彼はギュッと自分の背中に両腕を回して抱き寄せてきた
と思うと、身体をぐるっと倒して上下を入れ替えられた。
そのまま、彼はハーフパンツを下着ごと脱ぐと、
ぶるんと音を立てるかのようにして、大きくなった彼のモノが露わになった。
ごくり、と思わず喉が鳴る。
そのまま自分のパンツにも手を掛け脱がしてくると、
彼は彼のモノをこすり付けてきた。
硬くてそれでいて柔らかくて、
どちらのものかはわからないヌルヌルとした感触に、
身体中がビクビクッと跳ねる。
「うっ、気持ちよすぎっ……」
「俺も、っす。もう、や、ヤバいですっ」
言いながら、上下に擦り合わせるのを止めない。
今まで遠巻きにしか見られなかったあの彼の身体が、
自分に密着してるかと思うと一気に興奮した。
「あ、はっ、しゅ、しゅんさん、俺もうっ……」
「あっ、んっ、もうイキタイ、んっ!」
とお互いが言い合うと、さらに勢いを増して擦り付け、
激しく口付けしながら、
「好きです……っ、しゅん、さん!」
至近距離でイケメンのとんでもなくエロイ顔。
言われたその言葉に、自分は勢いよく果ててしまった。
同時に彼も、自身の大きなモノをビクンッと痙攣させながら果て、
果てながらなお擦り付け、その快感の余韻にお互いが酔いしれていた。
……。