〜明久田家・アヤトの部屋〜
「日暮君、いつか君は僕がもらう
君の初めてもね、ふひひ」
君が転校してきた瞬間から、一発で君を手に入れたいと、思った。
「なのに、君はッ!
夏枝の野郎なんかと、仲良くしやがってッ!!」
アイツさえいなければ、ちょっと優しくすれば懐いてくると、ふんでたのにッ!!
「そうだ、せっかくアドレス交換したんだから、今何してるか聞いてみよう」
僕は、さっそく日暮君にメールをした。
〜5分前・日暮家−アキトの部屋−〜
「ここが、日暮の部屋かぁー」
夏枝君が、僕の部屋を見回していた。
「狭くてゴメンね」
「俺狭いとこの方が好きやから、気にせんでええよ」
それから、床に座って少し雑談してたら、お母さんが2等分に分けられたメロンと、お茶が入ったコップを持って来た。
「どうぞ」
「どもです」
「アキトから、いつも話聞いてるわ
アキトを助けてくれたり、いろいろありがとうね」
お母さんが、夏枝君にお礼を言った。
「そんなん対したことちゃいますよ
友達として、当然のことをしたまでっすよ」
「アキトったら、嬉しそうに夏枝君のことばかり、いつも話すのよぉ
新しい友達ができたとか、助けてくれた、格好いいとか、笑顔で」
「そうなんすかぁ(笑)」
夏枝君は、ニヤニヤしながら僕の方を見た。
「じゃぁ、失礼するわね」
そう言うと、お母さんは部屋のドアを閉めて、下へ降りて行った。
「そかそか、俺のこと格好いいと、思てたんか」
「だって、格好いいのは事実だもん///
あと、優しいしさ///」
僕は、ちょっと恥ずかしながら、夏枝君に言った。
「ははは(笑)」
「わ、笑わないでよ〜///
あっ、このメロン美味しいね」
「俺が持って来たメロンだからな(笑)」
「なにそれ(笑)」
2人で談笑していると、明久田君からメールがきた。
〜明久田家・アヤトの部屋〜
「あっ、日暮君から返事のメールきた♪」
日暮君に、遊びの誘いのメールを送ったんだが…。
「なッ…。」
日暮君の家で夏枝と一緒に、遊んでる…だと…?
「くそッ」
アイツが、いるせいで僕は、日暮君と2人きりで話せもしない…。
「夏枝には、一変酷い目にあってもらわないと、気がすまないッ!」
〜日暮家・アキトの部屋〜
「せや、日暮」
「なに〜?」
メロン食べ終えてからも、雑談してたら急に何かを思い出したように、僕に質問してきた。
「日暮って今、好きな奴おるん?」
「えっ?」
−続く−