〜○○高校・昼休み−教室−〜
転校2日目の昼休みも、僕は夏枝君と2人で昼ご飯を食べることにした。
「ん」
「え、何?」
僕が、弁当の海苔巻きおにぎりを出すのと同時に、布で包まれたお弁当箱らしきものを渡された。
「これは?」
「日暮の分の弁当やで
俺、実は自分で弁当作ってるねん
言っとくけど、可哀想とか情けとか同情で、作ったんちゃうで
友達として、力になって助けてあげたいと思って、作ってん」
「いいの?」
「ええねん、こっちは好きで作ってんねんから
まぁ、味あうかわからんけどな」
「ありがとう」
また、嬉しさのあまり泣きそうになると、夏枝君に注意された。
「おおっと、今度は泣くなや?
いちいち、泣かれたらたまらんで(笑)」
「うん、ゴメン」
「てか、ペットボトルのお茶あるけどええけど、おにぎり3つに俺が作った弁当入るんか?」
「大丈夫だよ」
そうして、2人で食べ始めた。
海苔巻きおにぎりを食べ終わって、夏枝君が作った弁当を食べるのに、弁当箱を開けた。
「あ、これ」
焼きそば、海苔巻きおにぎり3つ、ほうれん草、白身フライ、僕の好きな食べ物ばかりだ…。
「昨日、公園着くまでいろいろ質問しあってた時に、お前さんの好きな食べ物聞いたやん?
家にちょうど、材料揃ってたから、俺のとは別々に料理して作ってん
せやから、俺と日暮の弁当の中身ちゃうやろ?」
そうだったんだ…。
「もしかして、余計やったか?」
夏枝君が、申しわけなさそうな顔で聞いてきて、慌てて笑顔で答えた。
「ううん、そんなことないよ
本当に、ありがとう」
僕は、夏枝君の作った弁当を食べ始めた。
「うん、どれもこれも美味しいよ」
「ホンマかぁ、それは作りがいがあったわ〜
でも流石に、海苔巻きおにぎりは日暮のオカンには、勝たれへんやろうな(笑)」
「うん、でも美味しいよ(^-^)」
僕は、素直な気持ちで言った。
だって、夏枝君が作った海苔巻きおにぎりも、美味しかったから。
「ほな、また作ったるわ」
「えっ?」
「また、日暮に食べてもらいたいしな
ええやろ?」
「ありがとう、そうだ明日の土曜日は、学校休みだから僕の家来ない?
お母さんにも、紹介したいし
たいした、おもてなしは出来ないけど…。」
「別に、かまへんでぇ〜
日暮の家、遊びに行きたいと思うてたしな♪」
「じゃぁ、明日昼ご飯食べて13時に公園で、待ち合わせは?」
「ええよ、それで〜♪」
−続く−