〜○○公園・ベンチ〜
「本当に学校には居場所がなかったから…転校するまではずっと、家に引きこもってたんだ…。
家だけが、唯一の居場所だったからね…。」
家にいる時が、幸せだったな…。
「そうか…なぁ、もしかして昼飯が
海苔巻いたおにぎり3つやったんって、引っ越しや転校とかの費用と、今の学校の学費とかで…?」
ははは、夏枝君は鋭いな。
「一応、お父さんが置いて行ってあった慰謝料の200万と、銀行に預けてるお母さんのお金があったから、まだ当時は大丈夫だったんだけど……。
まだ普通には暮らせてるけど、今日までにいろいろかかったから、多少お金貯めないといけなくなってきたから、お母さんは…パートのバイトをするようになったんだ…。」
「それで、日暮も節約するために、海苔巻きおにぎり3つを?」
「うん、さっきから思ってたけど夏枝君って、なかなか鋭いね」
僕が、笑顔でそう言うと、夏枝君は僕を抱き締めながら頭を撫でてきた。
「えっ?
な、夏枝君!?」
「辛かってんなぁ、でもそんな人生も終了やで
俺がついてるさかい、今日からは幸せな日々を送るんや」
「夏枝君…ありがとう…。」
僕は、心から感謝した途端にまた涙出てきた。
「泣くなや、今度はどないしてん?」
「いや、嬉しくてつい…。
夏枝君、強くて優しいし格好いいね」
「べ、別にそんなんちゃうしな///」
「本当なのに、転校初日の初めての友達が、夏枝君で良かった〜」
本当に、良かったって心から思えた。
「何言うてんねん!///
そろそろ帰るで!///」
「夏枝君、もしかして照れてる?」
「べ、別に照れてないわ!///」
「ははは(笑)」
とりあえず、明日からはこの公園で待ち合わせて、一緒に登下校する約束をして、それぞれ帰宅した。
−続く−