後日
学校が終わって
そのままバイトに向かう。
あの日から俺とたっちの間には、少し距離があるように感じていた。
俺は自分の気持ちに戸惑っていた。
たっちの事が好きなのか…
確かに俺はゲイだが、あいつはただの友達で…
あいつは俺の事、どう思ってんのかな
いや、たっちは彼女いるし
ノンケなのは間違いない。
だが明らかに俺の事意識してるよな。
憂鬱なまま職場に到着し、更衣室に入ると
俺『おはよ!』
た『おはよー』
俺『今日あつくね?』
た『あついねー、まあ今日も頑張りましょっと』
と言い残し、出ていってしまった。
怒ってる訳ではなさそうだけど
やっぱりよそよそしいな。
こんな精神状態では
もちろん仕事もうまくいかないわけで…
俺は客のメダルをぶちまけてしまった。
客に怒鳴られ
インカム(全スタッフがつけている無線機)で皆が聞いてる前で上司に怒鳴られ
しまいには事務所に呼ばれて怒鳴られた。
はあ…
こんなに落ち込んだのは初めてなくらいに落ち込んだ。
なんとか営業時間までやり過ごし
閉店後の清掃時間。
俺はいつものように、担当の倉庫の清掃をしていた。
狭い倉庫の中1人で清掃するのが
今まではあんなに苦痛だったのに
今日は落ち着く。
そこにたっちが入ってきた。
た『よう!お疲れ!』
俺『お疲れ〜』
た『今日ひどくお叱り受けてたね(笑)』
俺『うん』
た『まああんまり気にすんなよ!!』
なぜか涙が出てきて、こらえるのに必死だった。
ぎゅっと抱きしめてくれるたっち。
たっちの腕のなかで号泣する俺。
俺『たっち、俺の事きらいになったかと思った』
た『嫌いだったらこんなことしてねえよ(笑)』
俺『俺、今更だけどゲイなんだ』
た『知ってるよ』
俺『それで、たっちの事が頭から離れなくなって、自分でもよくわかんない』
た『…
今日あいてる?』
俺はびっくりしたが、もちろんあいてると答えた。