何気ない毎日
何気なく行動する毎日
刺激がほしいという感覚すら麻痺して奴隷に様に過ごす日々
そんな自分に気がついた頃
駐輪場である人物と出会った。
・・・・・・
「すごい雨ですね。」
話しかけてきたのは彼からだった。
俺を同じ境遇だと思ったんだろう。
でも俺はこの駐輪場の上のマンションの住人。帰りは雨にはぬれることはなかった。
「雨すごいね。帰れないの?」
「ええ。駅まで行くのに困ってます。」
「送っていこうか?」
バイクの整備をしている僕がきいてみた。
「バイクじゃ一緒ですよ〜〜ぬれちゃいますよ〜。」
彼の困った顔が急に明るく笑顔になった。
男なのに一瞬で一目惚れした。
「それじゃぁ止むまで話でも付き合ってやろうか?」
「止みそうにないので親を呼ぶかもしれませんけど。」
「いや これはすぐ止む雨だね」
「ほんとですか。んじゃ信じて8時頃までは待ってみることにします。」
雑談が進んだ。彼は中学2年だそうだ。
遠くから通って、駅からここまで歩いてきて、ここから学校まで自転車で通学しているとのこと。
「いいんすか?やったー!」
駐輪場の前の自動販売機でジュースをおごることにした。
煙草をすえないこの歳だと退屈だろうと思って。
でもこれが彼の心を完全にひきつけるものになった。