たかさん、ゆうたさん、ありがとうございます!
続きです。
二人で課題をやった。
勉強は嫌いじゃないからすぐに終わった。
雄輔も少し後に終わった。
ちょうど雄輔が終わってお茶を飲み始めた時だった。
ブーブーと僕の携帯のバイブ音が鳴った。
開くと秋晴からのメールだった。
午後から遊ばないか、という内容。
僕は『雄輔と家にいるから遊びに来る?』と内容を書き、送る前に雄輔に秋晴を呼んでイイか訊いた。
雄輔は快く承諾し、そして「俺、今日も泊まるから秋晴にも泊まるように言ったら?いいだろ?」と言った。
今日も泊まるなんて初めて聞いたが、まぁ、気にするのはやめて、さっきの内容に『一緒に泊まらないか』ということを書き加えてから送信した。
返信はすぐにきた。
『さすがに泊まるのは無理!でも、遊びには行きたいな』
そう返ってきたので、僕は時間と待ち合わせ場所を指定した。
秋晴もそれで大丈夫だと言ってくれたので、出かける準備をした。
雄輔も一緒に出かけて、夕飯の買い物をする。
うちの親は週一くらいしか買い物に行かなかったが、きっと、ちゃんと料理する人は毎日新鮮な物を使う分だけ買うんだろうな
待ち合わせ場所に10分早く着くように家を出た。
予定通り10分前に着いたのだが、秋晴のほうが早く到着していた。
「ごめん。待った?」
「いや、今きたとこだからさ」
「ならよかった」
「じゃあ、行こうか」
歩きだす秋晴。
「え!俺は無視なの!?」
雄輔が騒ぐ。
「…こんちは」
あからさまに嫌そうな挨拶。
「うわ!ひど!」
雄輔がさらに騒ぐ。
それを少し笑って無視する秋晴。
なんだかんだ言いながらも仲良くなれそうだ。
買い物を済ませ家に着いた。
お茶とお茶菓子を用意し、テーブルを囲んだ。
課題の話や先生の話、月曜の授業の話などをした。
買ってからあまり手をつけていなかったゲームもやった。
意外と秋晴が一番上手かった。
そして夕食の準備。
秋晴も食べてから帰るそうなので、3人分のハンバーグを作る。
材料を刻んだり、付け合わせを作ったり。
やはり一番上手いのは雄輔。
秋晴は僕よりも下手だった。
そして、自分で自分のハンバーグを焼く。
調理実習みたいだ。
出来上がりは一目瞭然。
雄輔はすごくキレイ。
僕のは形がいびつで、秋晴のはさらに焦げていた。
「なんか…悔しいな」
秋晴が自分と雄輔のハンバーグを見比べながら呟いた。
「家で作ってるからな。最近は晴翔のメシも作ってるし」
「雄輔、なんでも作れるんだよ」
「むぅ…」
眉を顰めながら唸る。
僕と雄輔はそんな秋晴を見ながら笑った。
食事も終わり、軽く食休みをしてから秋晴が帰った。
雄輔との仲も少しは改善しただろうか。
それから僕と雄輔は風呂に入った。
今日は交代で。
そして、テレビを観て、ゲームをして。
気付けば1時になっていたので、歯を磨いて布団を敷いた。
今日はお互いにトランクスを穿いていた。
布団に二人で潜り込み、顔を見合わせた。
「……」
「……」
ドキリとした。
間近で見る雄輔の顔はカッコよかった。
こんなカッコよかったかな?
てか、なんで僕、こんなドキドキして…。
「晴翔」
「な、なに?」
名前を呼ばれ、一気に心拍数が上がった。
「目、閉じろ」
息のかかる距離でそう言われ、僕はさらにドキリとしながら目を閉じた。
されることは覚悟していた。
なぜ雄輔にされることを許したのかは分からない。
だが、その瞬間は性欲と興味に負けたのだ。
朝の快感が欲しい。
もっと気持ちよく…。
期待通り唇が重ねられた。
人生で二度目のキス。
それだけで僕の股間は硬くなった。
すぐに雄輔が上に覆いかぶさってくる。
僕は雄輔の背中に腕を回し、離れまいと抱きついた。
だが、すぐに股間を愛撫してくれない。
雄輔の手は、僕の乳首を責めた。
「ん…ッ」
くすぐったいような、なんとも言えない感覚に身を捩った。
それでも執拗に責めてくる。
徐々にそれが快感になり、気付けば喘いでいた。
それで雄輔は満足したのか、股間へと手が伸びる。
優しく握られただけで僕のモノはビクリと脈うった。
舌を絡めながら、僕のモノを扱く。
雄輔は手慣れていた。
男を責めることに。
しかし、今はそんなことより快感を最大限に感じよう。
僕が更に快感を求めていることが分かったのか、雄輔は唇を離すと布団の中に潜り込んだ。
そして、ゆるりとした生温かい感触が僕を包みこんだ。
布団の中を覗くと、雄輔が僕のモノをくわえていた。
僕がしてきたことはこんなに気持ちイイことだったのか。
そりゃ、ヤッてくれる人がいるならさせたくなるわけだ。
ひとしきり快感を味わった。
「ゆーすけ…」
射精感が込み上げてきたせいか、甘えた声で雄輔を呼んだ。
「ん?」
咥えたまま見上げてくる。
「そのまましてたら、出ちゃうよ…」
「じゃあ…俺も気持ち良くしてもらおうかな」
そう言うと、布団から出る雄輔。
そして、バッグの中からローションを取り出した。
「何に使うの?」
「…入れても、イイ?」
雄輔の言葉は、僕からしたら衝撃だった。
僕はホモじゃない…はず。
そう、ただ、快感が欲しかっただけだ。
だから、雄輔は僕の欲求に応えてくれた。
じゃあ、僕も雄輔の欲求に応えなきゃ。
意味不明な使命感に駆られた僕は「いいよ」と返してしまった。
「四つん這いになって」
「うん…」
僕は雄輔の言うとおりにした。
四つん這いになると、雄輔が僕の後ろに移動した。
すぐにぬるりとした感触が再び襲ってきた。
それが雄輔の舌だとはすぐに分かった。
「そんなッ!汚いからッ」
そうは言ってもカラダは拒否しなかった。
快感に喘ぎ、穴がひくひくした。
「力、抜けよ」
雄輔が緊張した声でそう言った。
ローションのキャップを開ける音。
そして、ひんやりとした液体がアナルに垂らされ、雄輔の指で塗りこまれた。
「指、入れるからな」
ゆっくりと、一本の指が入ってくるのが分かった。
たっぷりとローションを使ってくれたおかげか痛みは感じなかった。
続いて二本目。
これは少し痛い。
だが、ゆっくりと待ってくれたので最終的には痛みはなくなった。
三本目。
やはり痛い。
しかも、なかなか慣れてくれない。
ローションを足しながら、時間をかけて入れてくれた。
「そろそろいいかな…」
雄輔の声に緊張した。
入れられる…。
そう覚悟した。
「優しくするから。我慢してな」
優しい声で言われ、僕は黙って頷いた。
腰に手が添えられ、穴にモノが宛がわれた。
「力抜いて。じゃないと痛いよ」
「ぅん」
僕は深呼吸をして力を抜いた。
それに合わせるように、雄輔がゆっくりと僕の中に入ってきた。
痛みが襲う。
だが、慣らしてくれたおかげか、思っていたほどではない。
奥まで挿入すると、そこでまたいったん慣らす。
数分してから、ゆっくりと動き始めた。
指とは比べ物にならない圧迫感。
乾いたらローションを足してくれるから痛みはない。
「ん…あぁ…」
突かれるたびに声を漏らした。
いや、自然と押し出されるように出てしまうのだ。
「晴翔、すげぇ締まる」
徐々にスピードが上がってゆく。
圧迫感は快感へと変わっていった。
射精感に似た、だが、最後まではいけないもどかしい快感に僕は溺れた。
「ゆーすけ!もっと…ッ!」
僕がそういうと、雄輔はさらにスピードを上げた。
部屋がギシッと軋んだ。
「イキそ…」
雄輔がそう呟いた。
「いいよ!いっぱい出して!」
エロ漫画に載っているかのような台詞を吐いた。
「あぁ…!イク!イク!」
雄輔が中で果てた。
ビクンッと脈を打っているのが分かった。
「はぁ…はぁ…」
出し終えたのか、荒い息を吐きながら僕の中から抜いた。
そして、ゴムを外し、結んでティッシュに包み、ゴミ箱に捨てた。
ゴム…つけててくれたんだ…。
「ほら、仰向けになって」
雄輔に促され、僕は仰向けになった。
小さくなってしまった僕のモノを扱き、勃起させるとすぐに咥えてくれた。
さっきまで快感があったせいか、すぐに快感が込み上げてきた。
雄輔のフェラが激しくて上手いせいもあるが。
「ゆーすけ、出ちゃいそうだよ…」
「出していいぞ」
ラストスパートをかけるように、雄輔はスピードを上げた。
「あんッあぁ!あぁ!イッちゃう!出ちゃう!あぁぁッ!」
自分でも恥ずかしくなるような声を上げて射精した。
雄輔は全て口で受け止めると、それを飲み込み、さらに舐めてきれいにしてくれた。
「ん…はぁ…」
喘いだせいで喉が痛い。
それに疲れた。
「歯、磨いて寝るか」
「…うん」
倦怠感でボォッとした。
お茶を飲んでから歯を磨き、すぐにベッドに潜りこんだ。
「おやすみ」
雄輔が唇を軽く重ねてきた。
「おやすみ」
僕はそう返し、目を閉じた。
次の日の朝。
目の前の雄輔とダルさ。
そして何より、ケツの痛みで昨日のことは事実だと実感した。
そこにあったのは嬉しさやドキドキではなかった。
後悔、恐怖。
そちらの感情が強かった。
今、この状況でも雄輔を友人としか見れない。
だが、昨日のアレは事実だ。
しかし、僕はきっと再び快感を求めてしまう。
優しい雄輔に甘え、きっと我慢なんてできない。
それではきっと、この友情は長く続かない。
雄輔はどう思っているのだろう。
もし、僕に対して恋愛感情があったら?
僕はそれを利用することになるのだろうか。
そんなことは嫌だ。
自問自答を繰り返していると、雄輔が目を覚ました。
「お、おはよ」
眠そうな顔で囁くように雄輔が言った。
「おはよ」
いつもどおりに言おうとしたつもりなのに、少し元気がないような言い方をしてしまった。
「嫌…だった?」
僕の気持ちが分かったのか、雄輔が訊いてきた。
「嫌…じゃない。でも、少し後悔してる」
「どうして?」
「雄輔とは友達でいたいから」
「俺も悪かったな。ごめんな」
「そんなことない。雄輔は悪く…」
不意に唇を重ねられた。
そして、股間を揉んでくる。
「雄輔!」
「これで悪者っしょ?だから、あんま自分を責めるなよ。それに、ほら。友達同士だって抜き合いくらいするさ。それが、ちょっと仲良過ぎただけだって」
雄輔が笑うからつられて笑った。
だが、心の中はすごくモヤモヤしていた。
それからはいつもと変わらぬ日常。
朝食を食べ、昼食を食べ、夕食を食べ。
雄輔が帰る時間になったので、途中まで送った。
「じゃあ、また明日」
「うん。また明日」
今日はいつもより口数が少なかった気がした。
きっと、気のせい…だよね。
続きます。