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「早速来たんだ?」と、後ろから声がして、振り返ると先輩が笑顔でそこにいた。俺はホッとした。 先輩について中に入った。先輩の名前はけんただと教えてくれた。初めて知った。
その後先輩方の練習風景を見学した。けんた先輩は高校の時と同じだった。フットサルをしている先輩を見てそう思った。凄く楽しそうで、俺とは正反対のような、そんな感じがした。でも、ここは書道部の部室ではない。けんた先輩と同じ空間にいる。このサークルに入ろう。
サークルが終わって先輩方が新入生を囲んで新歓の話をしていた。けんた先輩は少し離れたところで傍観している感じだった。俺は思い切って話しかけてみた。
「先輩、フットサルうまいですよね。俺、運動苦手なんで不安ですよ。他の奴ら経験あるみたいだし。」顔が真っ赤になっていないか不安になる。
「高校まで何もしてなかったの?」
けんた先輩は笑顔で聞き返してきた。
「俺高校までは書道部でした。」言うべきか迷った。万が一俺を知っていたらどうしようと思った。でもけんた先輩の表情は変わらなくて、俺の心配は無駄だった。
「そういえば、下の名前何ていうの?」
「ひでかずっていいます。」
「じゃあヒデだな。改めてよろしく。」
「はい!よろしくお願いします!」俺は、けんた先輩に名前を聞かれただけなのにどうしようもないくらい嬉しかった。自分を知らなかったことはどうでもよくなった。
思わず握手をしていまった。けんた先輩の手小さい。