これは僕が高校に入ってからの話。
脚色してあるんで、たまにボロが出るかもだけど、その時は優しく指摘してくださいw
入学式の日は誰よりも不安だった自信がある。
なぜなら、僕は極度の人見知りだからだ。
中学の時はそれで失敗した。
友達なんてほとんどできない。
いや、正直言えばいじめられていた。
それが多感な中学の時だったからいろいろなことを考えてしまった。
『自分の生きる意味はなんなのか』
必要とされない自分。
期待を裏切ってしまう自分。
それは憎くて憎くて…。
そんなネガティブ人間な僕は、上手く話そうと思う反面、どうせ無理だと諦めていた。
痛いことも恥ずかしいこともされてきた。
もう3年くらい我慢できる。
そう思うと気が楽になった。
クラスに、いや、学校に知った顔はいない。
県外の学校だ。
誰も来るわけがない。
そう、誰も僕を知らないのだ。
新しい自分をつくる絶好のチャンスじゃないか。
ケータイの充電もバッチリ。
いつだって連絡先を交換できる。
髪だって、人生初の美容室に行ってカットしてもらったんだ。
そう、僕は今までの僕と違う新しい僕なんだ。
そんなことを考えながら校門をくぐり、昇降口で靴を履き替え、クラス分けが張り出されているところに向かった。
僕のクラスは3組か。
男子20人、女子10人…。
比率が変じゃないか?
そう思いながら教室に向かう。
東校舎の3階の…あ、あった。
緊張しながら教室に入り、黒板に張り出されている座席表を見て、席に着いた。
隣には眼鏡をかけた真面目そうな男子。
挨拶しなくちゃ。
「お、おはよ。よろ、よろしくね」
久しぶりに知らない人と話すなんてことをしたせいか、思いっきり緊張した。
「おはよ。こちらこそよろしくね。えっと…尾形セイショウ君…?」
「ハルトって読むんだ、これで」
「そうなんだ。俺は飯田秋晴(シュウセイ)。秋晴れって書くんだ」
「カッコいい名前だね」
「ありがと」
それが秋晴とのファーストコンタクトだった。
続きます