俺は告られた。
いきなりの告白。
同じ水泳部の中3の先輩、女。
仲良かったから悪い気はしなかった。
まだ女にも興味あったから迷ってた。
だから健太郎に相談した。
あの時健太郎が言ってくれたから、っていうのもあるかも知れない。
その夜、健太郎にメールした。
俺「俺さ、告られたんだぁ。先輩にさ」
返信はなかった。
いつもならくれるのに。
なんか寂しい気持ちになった。
やっぱ嫌われたのかな、って。
前にもあったから。
小学校の時、ちょっと好きだった子にベタベタしてたら
「お前、なんかうっとしいよ」
陰口も叩かれ、ショックだった。
それからかもしれない。
好きな人を避けるようになったのは。
告白されたことをあまり言われると嫌なので
勇気を出して聞くことにした。
俺「なぁ、昨日忙しかった?」
健「別に…」
なんかいつもと違かった。
俺「なんかさ、俺のこと嫌ってる?」
健「え?」
俺「正直に言えよ、別に気にしねーし」
内心、もう泣きそうだった。
健「いや、別に…」
俺はヤバくてその場から逃げた。
明らか、嫌いな空気だった。
「嫌いって聞かれて嫌いって言う訳ないか」
自分のバカさに呆れた。
「もう終わりか…」
俺は泣くのを堪えて部活に行った。
強がりだけは得意だ。
それに泳いだら何かが流される感じがした。
いや、流して欲しかった。
次の日。
健「なぁ」
健太郎が話しかけてきた。
俺は何か気分が悪くなった。
俺「ちょっと気分悪いから」
逃げ出すように去ってしまった。
それからは健太郎の顔が見れなかった。
続く