「たくみ?マジで?」
「K?なんでこんなとこにいんの?」
「いや、おまえだって」
Kは、特別仲がいいというわけではないけど、学校にいるときはよく一緒に話すヤツです。
こいつと話すときのネタは、たいてい女の話。
Kは校内でちょっと有名なくらいのイケメンで、女の体験人数も3ケタはいってるという噂のヤリチンでした。
だから、こんな場所で会ったのには本当に驚きで。
「たくみ、男に興味あったの?」
「Kだって、あんなに女とやりまくってるのに」
「俺はバイだもん」
「バイ?」
「バイセクシャル。男も女もいけるってこと。あ、たくみもそうなの?」
「うん、そうかな」
「なんだ、早く言えよ」
「言えよって(笑)」
それから、個室のマットに座り込んで話をしました。
Kは、女ほど盛んではないけど男のほうもすごくて、歌舞伎町のホストとか、モデルやってる大学生と恋人みたいな関係だったこともあるとか。
こういう発展場には、たまに来るとのこと。
俺はKの話にただただ驚いてたけど、Kも俺が発展場が初体験ということに驚いた様子でした。
話も尽きたころ、そろそろ帰ろうと思って立ち上がりました。
まだ誰ともセックスはしてないけど、さすがに同級生がいる店内ではできないんで(笑)
「なに、たくみもう帰るの?」
「うん。そろそろ」
「待てよ。もうちょっといろよ」
Kはドアノブに手をかけていた俺も腕を引っ張って、またマットに引き戻しました。
「せっかく来たのに、することしないで帰るの?」
「だって…」
「もったいないだろ」
すると、Kが俺を壁に追いつめるように近づいてきました。
「俺さ…、前からたくみのこと、かっこいいなと思ってて」
続く。