キレたと思ったら、今度は辺りをキョロキョロと見回して、下を俯いて、席に着いた
多賀井「ゴホン……ごめん‥急にデカい声で怒鳴ったりして…ゴホンゴホン」
「うん。」
それ以外何も言えなかった。なんか喉が詰まる感じがして‥言えなかった。
昼休み多賀井はトイレに行くと言って席を立った
いつもなら「一緒に行こっ」て誘ってくれるのに、今日は1人で行っちゃったよ。
やっぱり怒っているのか。それとも、今朝泣いてたから悲しんでいるのか。
きくにきけない。でも、なんで躊躇するんだ。俺。
ブーッ…ブーッ…
うんと、バイブの音かな。どこからだろう‥‥あ、多賀井の机の中から聞こえる。
ブーッ…ブーッ…
まだ多賀井は戻って来ないみたいだし、先生に見つかるとマズいから止めといてあげよう。
ブーッ…ブーッ…ピッ
ふーん。多賀井の携帯って水色だったんだ。
なんだこれ。14件って、こんなに溜め込んで。読まない気なのかな。
菊地「おっ!メール盗み読み?ワルだね〜‥おー怖!」
後ろから声がしたと思ったらさっきの人か
菊地「どれどれ‥俺にも読ませて!」
油断した隙に、スパッと携帯を奪われた
「読ませてって、まだ一件も読んでないからね。」
菊地「でもさ、いじったんだから同罪でしょ?」
ピッピッピッピッ
「ロックはどうやって外すの。俺は番号教えてもらってないけど。」
ピッピッピッ
菊地「ああ、それならもう解けてるよん。」
ピッピッピッピッ
「えっ‥嘘。。」
ピッピッピッ
菊地「うそじゃないよ〜ぷふふ、真面目に。あいつのってさ結構覚えやすい番号なんだよね〜‥うわー、アダルトサイトからメール着てやんの〜ぷはは」
ピッピッピッピッ
なんで…ロックナンバー知っているの。この人…。
さっきの給食の時間、俺がこの人に握手されて、多賀井の様子おかしくなるし
そういえば…今朝‥多賀井と一緒に職員側の棟の‥えーと‥階段から下りたとき……直ぐそばで立ちションしてたっけ。この人。
ピッピッピッ
菊地「うわー‥芸能人からも着ちゃってるよ〜ぷふふ‥モテますね〜優太君は」
「優太って‥確か多賀井は下の名前で呼ばれるの嫌いだって」
菊地「それは君に言ったんでしょ?俺には優太って呼んでくれ〜って言ってたけど?」
「成る程。」
俺がそう返すと、菊地はそっぽ向いてくすくすと肩を震わしながら小声で笑っていた
菊地「んじゃ、あとで一緒に怒られようぜ」
そう言い残し菊地は自分の席へ向かって行った
多賀井のあの「あいつとは仲が良いのか」って言葉。どういう意味だったんだろ。
考えれば考えるほどボーっとしてくる‥胸の辺りが‥なんかモヤモヤする。力が入らなくなる‥なんだろう…調子悪いのかな。