僕は男であるコウキが好きなんだと自分で受け止めて1ヶ月。コウキは何も知らず、僕に恋愛の話やらをしてくる。僕はそれを聞き流す事にしてた。ちゃんと聞いちゃうと自分が耐えれるか心配で。コウキを好きになって自分がこんなに女々しかったのかってわかった。聞き流す事にしていても、家で一人で寝る時に思い出して、無性にイライラして泣いたりなど、女の子みたいな感じだった。
バイトには二人ともいるからあんまり見ないようにしたり、時には仮病を使って休んだりしてしまってた。それが何日か続いたある日、僕はついに言葉にしてしまった。
コウキが家に泊まりに来た日。寝る事になって、いつもは豆電球をつけて寝てたけど、顔が見えない方が話しやすいし、自分の顔を見られないで済む。どんな顔で話すのかどんな顔をしてしまうのか、どんな顔をされてしまうのかそれを見たくないし見られたくない。だから真っ暗にした。
コウキ「真っ暗やん!怖いー笑」
僕「バカやん笑」
そう言って、俺は静かに覚悟が決まるのを待ってた。
僕「寝た?」
コウキ「まだー」
それを3回くらい5分おきに繰り返した。
僕「寝た?」
コウキ「さっきから何?笑。眠たくないん?」
僕はもう今言うしかないと思った。
コウキ「え?なんなん?なんで黙っとん?笑」
僕「あのな・・・・」
コウキ「なに?怖いけー笑。早く言って!笑」
僕「もしかしたらなんやけど・・・・」
声が震えてた。今にも消えてなくなりそうなかすれた声。その様子にコウキも声色が変わる。
コウキ「どうした?なんかあったん?ゆっくりでいいけ。」
僕は我慢できず、涙が溢れた。コウキはいきなり泣き出した俺に戸惑いを隠せずに焦ってた。
コウキ「まじでどうしたん?」
僕「お・・す・すき・になって・・・しまった。」
コウキ「好きになった?良いことやんそれ!なんで泣く必要があるんけ?笑」
僕「お前を好きになったんよ!」
僕は泣いてるからうまく喋れなくなってた声に力を入れて自分の気持ちを伝えた。コウキは何も答えず、黙ってた。5分くらい部屋には俺の小さく泣いてる声だけが響く。
コウキ「落ち着いたらちゃんと話そうや。今日が無理なら今度でもいいけ。」
とコウキを俺の頭に手をおいて俺が落ち着くのを待ってくれた。俺は泣きやみ、落ち着いてきた。
コウキ「落ち着いたか?」
僕「うん・・」
コウキ「そうか。話せる?それとも今度にする?」
僕「今話す。」
コウキ「わかった。それなら一つ聞いていい?」
僕「うん。なに?」
コウキ「いつから俺を好きになったん?」
僕「わかんない・・」
コウキ「そっか。笑」
僕「気付いたのは2ヶ月くらい前だけど最近までは自分でも認めれなかった。男を好きなったって。」
コウキ「そうか。戸惑うよなそれは。」
僕「でもどんどん苦しくなって我慢できなくて・・・」
コウキ「ごめんな。辛かったやんな。俺まったく気付かんかったわ」
僕「そりゃそうだよ。男同士やしそんな考えにならんやろうし、気付いた方がすごいよ笑」
コウキ「そうやな。笑」
話せてすっきりしたのか自然に笑えるようになってきた。
コウキ「でもありがとな!言ってくれて!嬉しい笑」
僕「ううん。こっちこそ聞いてくれてありがとう・・・でもなんかゴメン。嫌なら離れたりとかしてもいいけ。」
コウキ「なんでそうなるん笑。」
この日はそのまま違う話になっていって、泣き疲れだったのかいつのまにか寝てしまってた。