「みそぎ」の思い出
A高校では、毎月「禊ぎ」があった。
これは、毎月25日に,近くの川で禊ぎを行うというものである。
この禊ぎ,A高校の伝統行事で、僕がA高校在学中も行われていた。
また禊ぎは男子のみで、女子は行わないことになっていた。
新入生の5月の「禊ぎ」行事が行われる数日前のこと。
禊ぎのときに身につけるのは「白ふんどし」(六尺タイプ)。
そのふんどしの納入が間に合わないと、業者から連絡があった。
(4月の禊ぎは、1年生は恒例により全員全裸なので、ふんどしの必要はない)
僕ら教員は,禊ぎをどうするか会議を開いた。
「中止」という意見も少数あったが、
伝統行事であるため予定どおり実施することで決まった。
そして,白ふんどしの代わりにをどうするかという議論に。
「4月同様、1年生全員全裸」という意見もあったが、
ふんどしの代わりに「白ブリーフ」で禊ぎを実施することで決まった。
(しかし、成績下位者と当月校則違反があった者は「全裸」である)
その禊ぎのある日のこと。
僕は自分のクラスで放課後男子を集めて、次のように説明した。
毎月禊ぎ行事があり、禊ぎは通常はふんどしで行うこと、
しかし成績下位者と当月校則違反があった者は「全裸」での禊ぎとなること、
今回はふんどしが間に合わないので、パンツで行うこと、などを指示した。
その禊ぎのある日の夜のこと。
A高校男子全員(特進クラスは除く)が寮前の広場に集合した。
(特進クラスの者は、禊ぎ行事は免除なのである)
そこに集合している男子は、何かおかしなカンジ。
ふんどしの者、白ブリーフの者、そして全裸の者…。
おかしなカンジがしたけど、粛々と禊ぎは進んでいった。
この禊ぎの風景、ビデオや写真にバッチリと収められている。
白ブリーフで行った最初の禊ぎだったので、きちんと撮影しておいた。
その後、そのビデオや写真を見ると、本当にすばらしい。
男子の白ブリーフ一枚で、町中を走る風景は、本当にすばらしい光景である。
しかも、禊ぎが終わると白ブリーフは水に濡れ、ほとんどスケスケ状態。
下手に全裸よりも、イヤらしく感じた。
その後すぐにふんどしは届いたので、通常の白フンになった。