暑くそして熱い夏休みが終わり今日から2学期が始まる。久々に直樹に会えると思うと自然と足取りは軽くなる。
教室に入ると直樹は既に席に座っていた。
俺「おはよう!久しぶり!」
直樹「おはよう!モンキー!久々っ!」
……直樹は俺の呼び方を使い分けている。皆の前では俺の小学校からのあだ名「モンキー」、そして二人だけの時間は「健吾」。
直樹のことを皆は森田君と君づけで呼んでいた。近づきがたいオーラがあるのか…直樹も自分にあだ名が無いことを悩んでいた。俺は皆の前では「森田君」、そして二人だけの時間は「直樹」だった……
席に座ると
直樹「机の臭い嗅いでみ…イカ臭いよ…」
俺「マジっ」
と俺が机に鼻を近づけると
直樹「うっそだよ〜ん(笑)」
俺「たちわるっ!(笑)」
直樹「でも凄かったなぁ〜今年の夏休み(笑)」
俺「確かに凄かったなぁ〜(笑)」
直樹と俺は互いの太ももあたりをタッチする。
直樹と俺の直近の問題は班替えがあることだ。せっかく横の席になれたのに、新しい班によっては席が遠くなってしまう。
俺「2学期だから班替えだね」
直樹「そうだな…。俺と離れるのやだ?(笑)」
答えが分かっている意地悪な質問…でもそれがいとおしかったりする。
俺「まぁね(笑)森田君も嫌でしょう?」とわざと君づけで呼んでやった。
直樹「学級委員の俺に任せとけ」
……人は無い物ねだりをする。俺は直樹の頭の良さを羨ましがり、直樹はあだ名で呼ばれ親しみがられる俺を羨ましがり。果敢な思春期ってこんなもんかなぁ。
直樹と俺は単に身体の繋がりだけでなくより強固な精神的な繋がりを求めていった……
直樹「モンキーってもっと自分を前に出した方が良いよ。勿体無いと思うぜ、俺は」
俺「俺、あんまり前面に出るよりは縁の下の力持ちって方が良いんだよね」
直樹「じゃあ2学期、副学級委員に立候補してみなよ!」
俺「えっ?!……」
直樹「変わろうとしないと変わらないぜ!俺が助けるからやってみなって」
俺「直樹、2学期も学級委員やるつもり?」
直樹「もちろん(笑)」
ホームルームが始まり班替え席替えは明日やることになった。
それを仕切るのは学級委員の直樹と女子の二人。直樹の任せとけにとりあえず期待かな…。