「はぁ・・制服にかかっちゃったね。」
「まぁ、良いよ。帰りに洗おう。」
そう言ってしょうじはおれをもう一度抱き寄せる。
「もう離したくねぇ。」
「うん・・・。」
「・・・なんでここの高校行かないの?」
「ごめん、やっぱ怖いよ。この学校のノリが。」
「いつもおれと話す時どっか緊張してたもんな。」
「気付いてた?」
「うん、おれをなめてもらっちゃ困る(笑)」
「(笑)でも今はしょうじは怖くないよ。」
「そうなん?」
「うん、おれしょうじのことは友達だと思ってたよ。」
「そっか・・・。」
「うん。」
しょうじはまた力をこめて俺を抱きしめた。
おれもしょうじの腕を強く握る。
しばらくそのまま過ごしていた。
お互い言いたいことはあったけど、言葉を交わすよりもこうして一緒になっていることを感じていた方が良かった。
お互いずっと黙っていたが、しょうじが口を開いた。
「高校、頑張れよ。男、そんな怖くないよ?」
「うん、頑張る。しょうじのおかげでちょっと男子信頼できるようになったし。」
「マジで?」
「うん。」
「じゃおれが記念すべき最初の友達だなっ。」
「うん(笑)」
「体育祭とか来いよ?」
「うん、行くよ。多分懐かしくなると思う。」
「よし、じゃぁその時までお互い元気でいような。」
「おう。」
そういっておれたちは後始末をして学ランを着て、部室棟を出た。