てつさんコメントありがとうデス。
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心ちゃんは、譜面を書いてた。
俺は、その横で詞を書く。
なんだか今までなかったことだから、新鮮だし、
幸せを感じた。
俺の頭の中には、心ちゃんの屋上で言っていた、
「俺だって言えない悩み抱えてるしね。」
この言葉が引っかかっていた。
聞いてみるべきか悩んだ。
でも、俺の過去を話したんだし。
聞いても良いよね・・・。
紘「ねぇ、心ちゃん?」
心「何?」
紘「心ちゃんの人に言えない悩みってなに?」
心「え?それ言ったら、言えない悩みじゃないじゃん。」
紘「そ、そうだけど・・・。俺、さっき過去の事話したよ?」
心「確かにな。紘毅には話さないとな。」
紘「なになに?」
心「そんなに興味持つなよ。つか、恥ずかしいし、聞いたらきっと、紘毅が俺の事嫌いになるかも。」
心ちゃんの悩みはまだ、わからないけど、さっき心ちゃんは言ってくれた。
味方。友達。過去の事で友達やめないって。
だから、同じ言葉を返してあげた。
紘「心ちゃんはさっき俺に言ってくれた。味方って友達って、だから嫌いになんてならないよ。」
心「アリガト。でも、たぶん紘毅はびっくりするよ。」
紘「いいよ。大丈夫。」
心「実はさ、俺・・・男が好きなんだ・・・。」
え?そうなの?
俺は心の中で驚いた。でも、平静を装った。
紘「そうなんだ。意外だなぁ。心ちゃんは女ったらしだと思ってた。」
心「おいおい、たらしはないだろ。つか驚かないの?」
正直驚いたよ。けど、そんなん言ったって仕方ないじゃん・・・。
紘「うん。別に良いじゃん男好きでも。俺は気にしない。男好きだからキモイとか思わないし。心ちゃんは心ちゃだもん。」
心「ありがとう。でもな、もう一個は絶対、紘毅に嫌われるような気がするんだ。」
紘「だから、大丈夫だって。まさか・・・俺の事・・・。」
心「・・・。」
はぁ。言わなきゃ良かった。自分から言ってしまった。
紘「まさか。マジで?」
心「ごめん。ホントごめん。昔の事聞いときながら。」
紘「なんで?なんで謝るの?」
心「だって、おれ、おれ。」
心ちゃんが泣き出した。
つか、こいつでも泣くんだ。
そう思ってしまった。
紘「心ちゃん泣くなって。人を好きになるって悪い事じゃないよ。」
心「でもさ、でもさ、紘毅は過去にあんな事されてて、男に告られたら嫌だろ?」
紘「驚きはしたけどさ、嫌じゃないし。むしろ心ちゃんだから大丈夫。」
心「ありがとう。」
紘「正直、俺もよくわからないけど、心ちゃんの事好きかも。でも、男に恋心なんて持ったことないからわからないんだ。だから、答えが出せない。」
心「そっか。でも俺は紘毅が好き。心底好き。だから、伝えた。」
紘「わかった。だからもう泣かないで。」
でも、泣き顔がかわいかったから、泣きやまないでも欲しかったけど。
俺の気持ちは、心ちゃんを受け入れたかった。
けど、体が若干の拒否反応を示す。
でも、変わらなきゃなにも始まらないよね。
そう自分に言い聞かせた。
心ちゃんはまだ泣いている。
紘「心ちゃん?顔上げて?」
心「うん。」
俺は意を決して心ちゃんにキスをした。