知り合ってから1ヶ月後、いよいよゴハンに一緒に行くことになった。
<待ち合わせどこにする?>
<何たべる?>
などのメールをし、いよいよ明日がゴハンデートだ。
よく小説とかで、楽しい日の前の気持ちを、遠足前の子供の気持ちという比喩が使われるが、その日の晩は海外旅行前のくらいの昂ぶりだったと思う。
当日、俺は仕事を早く終わらせて、待ち合わせ場所に向かった。
・・・来ない。
約束の時間はとっくに過ぎている。
連絡くらいあってもいいよな、と思い電話してみる。
・・・出ない。
電車かな。
メールしてみる。
10分たっても何の反応もない。
・・・はぁ、すっぽかしかよ。
・・・終わってんなぁ。
仕方なく、カズヤに連絡し、一緒にメシ行くことになった。
30分くらいかかるとのことだったので、暇つぶしにブラブラしてたら
電話がなった。
「もしもし、ごめんなさい。今起きました。昨日夕方まで飲んでて。
もう帰った?今からすぐ行くけど、もうだめ?」
必死で謝っていたが、すっぽかしが大嫌いな俺のセリフは冷たかった。
「ごめんね。もう今日はいいや。気分が乗れへんし。連絡ないから、友達とゴハン行く約束してしまったよね。また今度にしよ」
修学旅行に遅刻するヤツってあんまりいない。皆楽しみにしているから、絶対に間に合うようにいく。
・・・俺とのゴハンが楽しみであったなら、遅刻は普通しない。しかも、今日行く約束していたのに、夕方まで飲むなんて。
・・・俺との約束なんてその程度なんだな。
あきれたと同時に残念な気持ちだった。それに、ここでユウを待つと、ゴハン行く気で準備しているカズヤにも悪いと思った。
「わかったぁ↓。ホントごめんなさい。お客さんのアフター断れなくて。ちょっとだけ寝て起きようと思ってたんだけど。今後は絶対遅れないから、また誘ってよ。ホントごめんなさい。」
謝り方がかわいかった。
普通だったら、最初からすっぽかしするコはもういいやと思う。
でも、可愛そうな捨て犬みたいな声で謝るから、余計に切なく愛しく思えた。
・・・俺ってホンマにアホだ
「じゃ、また誘うからよろしくね。今度は絶対やで!」
「うん、絶対約束」
すっぽかされて、余計に切なく思うなんてアホ以外いないと思う。
・・・やばい、はまってるな