ちなみに、しばらくエロシーンないかも。
また、これから出てくる店の名前や人名は偽名ですので。
<今日飯でも食べない?> (これからメールの内容は<>で表示します)
俺は大阪時代の友達で、今は「二丁目」のゲイバーでも働いている「カズヤ」にメールした。
<いいよ、30分後ね>
久しぶりに会ったカズヤは相変わらずよく分からん格好をしていた。
ブランド物を組み合わせているのだが、どうみてもセンスが悪い。
ただ見た目は、シュっとしていて、そこそこモテるようだ。
「どこ行く?」
「新宿ですからお任せしますよ」
「じゃあ、いいとこあるからついてきて」
店は味も値段も、まあまあ悪くなかった。
そして、今までのことやこれからのこと含め、色々かずやと話をしながら飯を食った。
そしていつもの話題になる。
「こうすけ、最近彼氏は?」
「おれへんよ。東京来たばっかだし。それに、好きなコも現れないしな。お前はどうなんだよ」
「1年くらい前からいないねー。なかなかイイ子現れないし、現れてもうまくいかないしね。」
「お互い、悲しいな(笑)。可愛い子がいる店ないの?」
「ゲイバー?うーん。こうすけの趣味もあるしね。どうなんだろ」
「まっ、今日は色々回ってみますよ。じゃあ、まずはカズヤの店いこっか」
会計はカズヤが払ってくれた。普段はケチくさいヤツなんだが、「久々だし、店で使ってもらわないといけないから」と、意外にイイヤツだ。
カズヤの店(ルーダというようだ)で、しばらく楽しんだ後、ちょっと冒険してくると言い、店を出た。
俺は基本的に一人で初めての店でも入れるタイプである。
話の合わない人や気をつかわない人と飲むくらいなら一人のがよっぽど楽だ。
また、好奇心旺盛な性格なため、初めての店でも気軽に飛び込める。
とはいえ、最初はちょっとだけでも知っているとこからかな。(弱)
「いらっしゃいませ」
久々だな、この店も。もう4年ぶりくらいかな。
そこは大阪の時に仲良かった友達の元カレの店ということで昔きたことある店だった。
確か結構かわいいママだったのを覚えている。店の名前はライトだっけ。
記憶と変わらず薄暗い店内だった。
店にはお客(女性)が1人で、店の人が2人いた。ボックスの店で俺は奥に通され腰を落ち着けた。
「この店初めてですか?何飲まれます?」
・・・可愛い!!!
その一言につきた。
「あれ、キミがママだっけ?」
たぶん違うよなと思いながら一応確認した。
「違いますよ。従業員です。ゆうっていいます。ママはまだ来てないですよ」
だよな、ママも可愛かった気がするが、こんな俺のタイプじゃなかったもんな。
「俺、昔ここきたことあるんだけど、ボトル流れてると思うから新しい鏡月入れてよ」
「ありがとうございます」
とりあえず、乾杯して酒を飲む。
「名前は?」
「こうすけやで」
「じゃあこうちゃんっていうね、いい?」
・・・いきなりこうちゃん呼ばわりか、まぁいいけど。
「どういうきっかけでここにきたんですか?」
「タイプは?」
「大阪の方なんですか?」
その後しばらくありきたりな会話が続いたが、俺はそのコの話し方、表情に完全に虜になった。
見た目だけじゃない。雰囲気も含め全てが完璧だった。
「お店は他にどこか行くんですか?」
「行くよ。ルーダってとこ。知ってる。」
「知ってる。そこ好きですよ。行きたいなあ。」
ゆうは少し黙ったあと、もう一人の従業員に向かって話しかけた。
「ねえ、りょうさん、ちょっと外出していい。忙しくなったら戻ってくるから」
店にはまだ先にいた女性の客1人しかいなかった。もう一人の従業員は許可をしたみたいだ。
「やった。ねえ、こうちゃん、ちょっと行こうよ。」
「お、おう。別に俺はええけど、ホンマ大丈夫?」
「大丈夫だって、さ、行こ」
可愛い顔して意外に積極的だな、こういうヤツ好きだな。
「あっ、こうちゃんお帰り。あれ?」
遅い時間でもあり、カズヤの店ルーダはお客が2組程度になっていた。
「おっす、一人かわいいコ連れてきた」
「ゆうじゃない。もう仲良くなったの?まあ座って」
店のボックス席に座って、会話のやりとりが始まった。
内容は今思うとあまり覚えていない。ただ、すごく楽しかったのだけ覚えている。
その後、再度ライトに戻り、朝まで酒を飲んだ。
そして帰る前に、ゆうが言った。
「こうちゃん、アドレス交換しよ!近いうちにご飯行こうね」
俺が言おうとしてた言葉を先に言われた。ひょっとしてゆうも俺のこと気にいってくれてるのかな、なんて気持ちが高ぶった。
好きにはなかなかならない。
これは好きなのだろうか。
見た目がイケるコは前の彼氏と別れてからもいた。
でも、なんていうかこの感情は違うかもしれない。
久々の感情な気がする。
複雑な気持ちのまま、朝方家に帰り、ベッドに伏した。