なんか今日バイト行きづらい・・・
店長で抜いてしまった自分にとても罪悪感を感じてるから・・・
恐る恐るお店に入る
中村店長は机に座って電話してた
僕はこっそり通る
「武山君!昨日はありがとね」
「はい・・・」
こんな会話してるものだからオバさんたちがかぎつけてきた
「昨日って何?武ちゃん(僕のこと)店長とできてるの?」
「昨日飲んだんですよ」
店長がすかさずフォローする
僕は苦笑いしながら仕事に入った
そのうち店長も店内に入ってきた
「じゃあ俺今日はレジ立つわ」
店長はいきなりレジに出だした
そこで店長の本気をみた
接客のプロだった
さわやかな笑顔で出迎える
マジカッコイイ!!
レジ打ちも早いし袋詰めも超早いし,正確だった
僕は中村店長に惹かれていった
僕がボーっと店長に見惚れていると手をつかまれた
「武山くん手を動かしましょう」
つかまれたときに店長の手は意外に大きくてドキっとした
背はあまり変わらないのに・・・
僕はちょっと顔が赤くなるのがわかってそっぽを向いた
無邪気に笑うその笑顔がたまらなく可愛い
こんな男の人に可愛いって思ったことはなかったから新鮮だった
ピークも落ち着いて女の子たちが店長と話してる
僕は掃除するふりしてさりげなく耳を傾けた
「店長って今年卒業したんですよね?彼女いるんですか?」
「彼女は今はいないね」
「えぇ!何ヶ月いないんですか?」
「半年くらいかな・・・」
「卒業と同時に別れたんですか?」
「まぁね・・・そんな話はいいから仕事して」
やっぱノンケだよね・・・
僕の目のなかで何かが崩れた
ちょっとだけ期待してる面があったのかもしれない
でもこれでいいんだ
こうやっていつも僕は片想いで終わってたんだから
慣れっこだ
自分に言い聞かせた
両思いになれることなんて永遠にない
ちょっと悲しいけどこれが現実なんだ
僕は今まで以上に頑張ることにした