高校からチャリで家へ帰る途中の夕暮れ時の出来事です。
「すいません、○○駅ってどこか教えてもらえますか?」
信号待ちをしている俺に、横から小学生ぐらいの小さな男の子がこう尋ねてきた。
見た目はサッカーか野球でもしてそうな、いかにもやんちゃな感じで、その精一杯な丁寧な口調はとても好感を持てた、というか可愛いなーと思った(笑)。
駅までの道を教えてあげると、一生懸命頷きながら覚えようとしているようだけど、どうやら不安そう。
というかこっちが不安になってきたので、一緒に駅まで行ってあげることした。
駅まではそう遠くもなかったので、話しながら歩いているとすぐに着いた。
話から、どうやら男の子の名前は圭吾(多分この字だと)、 かなり遠くまで電車でいくらしい、 小学4年で、サッカーをやっている、とのこと。
駅に着くと、圭吾はペコペコと頭を下げてありがとうございます、ありがとうございますと丁寧にお礼を言ってくれた。
礼儀正しい子だなー、と感心していると、圭吾は何かお礼がしたい、とまで言い出す始末。
小学生に気を使われるのもなんか恥ずかしいので、もちろん断ったんだけど、圭吾は聞いてくれない。
困っていると、悪い考えがふと頭に浮かんだ。
「じゃあ、お礼にしてほしい事あるから、トイレまで一緒に来てくれる?」