パチンコ屋を出ると、耳が詰まった。あまりにもうるさすぎた。
それに店内が、無茶苦茶暑くてのぼせそうになった
でも、パチンコ自体はすごい楽しかった。
当たるとパチンコ台が光って、みんなちらちら見てくるし、店員が箱を変えてくれるのが、優越に浸れる。
遅くなったので、愛斗が家まで送ってくれる事になった。遠慮したけど、危ないからって。
俺は小学生か?
俺「愛斗がパチンコやるなんて意外。競馬もするんだよね」
愛斗「ああ。20の時、タイキシャトルって馬がいて引退レースで3万すった事があったな」
俺「3万って笑なんかそんな事するように見えないのにね」
愛斗「じゃあ、俺はどんな感じなの?」
俺「んーいつもオシャレで回りに気を使って、大人びてて。いいとこの坊ちゃんって気がする」
愛斗「全然、そんな事ないのにな」
笑ってはいたが、そう言った愛斗は、なんだか妙に淋しそうな表情になった。
俺は話題を変え、
「競馬にパチンコに、酒にタバコって、、完全に親父じゃん笑っ」
愛斗「親父って、失礼な笑あっ、、でもタバコは止めたんだぜ?」
俺「あぁ、そうなんだ。なんで?」
愛斗「、、伸之がタバコ嫌いだって言ってたから」
俺「ん。確かに嫌いだけど俺そんな事いったっけ?」愛斗「三上んちで。俺がタバコ吸おうとした時」
あぁ、、?あっ、そんな事あったな。自分、冗談半分で言ったのに。
愛斗「俺、伸之に嫌われたくないから」
そう言って、目を逸らす愛斗。
、、、
ドクンドクン。
心臓が二つ鳴る。
今まで、全然意識していなかったが、今確かに愛斗に惹かれてる自分に気がついた。
俺が冗談で言った事を覚えていて、やってくれていた。それにそれを聞くまで言わない。
俺は、こと恋愛に関しては、考えがあって。
好き好き、って毎日言われるよりも、ちょっとした態度や行動で示してくれる方にずっと愛情を感じてしまう。
お前の為に、限定のプレゼントを買ってきた、よりも、不器用だけどぬいぐるみを作ったよ、と言って、絆創膏を貼ってるようなところに、キュンとしてしまう。
愛斗「、、朝言おうと思ってたんだけど」
俺「うん」
愛斗「てかずっとずっと言おうと思ってたんだけど」俺「うん」
愛斗「、、俺、伸之の事が好きなんだ」
俺「えっ?、、」
愛斗「ずっと前から伸之の事が好きだった。
好きで好きでどうしょうもない。
好きなんだ」
、、愛斗が俺を?。
愛斗「今日抱きしめられて俺は伸之が好きなんだってハッキリわかった 。
伸之。俺、伸之の事、大切にする。
大事にするから、
俺と付き合って欲しい。
頼む」
愛斗の、ものすごく真っ直ぐな想いが痛いほど伝わってきて。
こんなにも、こんな俺なんかの事、好きなんて言ってくれて。
まじで、嬉しかった。
ありがたかった。
涙が出てしまう。
だけど、俺は准も好きでどうすればいいのか全く解らなかった。
俺「愛斗。ありがとう。
まじでウレシイよ。
俺さぁ、愛斗が好きなんだずっとわかんなかったけど愛斗が好き」
愛斗「、、」
俺「だけど、俺さぁ、、」
愛斗「三上、、だろ?」
ハッとした。
俺「うん。准くんも愛斗と同じくらい好きなんだ」
愛斗「、、」
俺「正直、どうすればいいか分かんない。愛斗ゴメン俺、今、答を出す事はできない。だから、少し考えさせて」
愛斗「俺、待ってる」
、、?ん?
愛斗「待ってるから。
それに、伸之が三上と付き合ったりしても、俺の気持ちは変わらないから」
俺「、、愛斗」
愛斗「俺、伸之に告白出来て良かった。ずっと言えなかったからさ。それに好きな人から好きって言ってもらえたから。
俺、それだけでいいから」俺「、、」
愛斗「伸之、、サンキュー」
俺は愛斗に抱きしめられた。やっぱり、抱かれ心地がいい、、だけど、愛斗は小刻みに体が震えていて。愛斗「じゃあ伸之。またメールするから」
俺「うん」
愛斗の体から離れた時のなんとも言えない淋しさが強くて、愛斗の後ろ姿がすっごく愛おしく、もの哀しく感じた。
愛斗、、