ガチャ
こう「はい、どうぞ」
俺「お邪魔します」
やっぱり、いつ来てもいいお部屋って感じだ。いい匂い。モデルハウスみたいだ。
こうちゃんは警官にめずらしく、単身寮ではなく、自分でアパートマンションを借りて暮らしている。
こう「まっててな、今風呂準備すっから!冷えてるだろ」
俺「おぅ」
テレビをつけても、変な通販番組しかやってない。ラジオをつけると、ちょうど人気芸人のオールナイトニッポンが流れていた。
こう「風呂、いいよ。先にどうぞ」
俺「ありがとう」
ちょうどいい温かさだ。また寝てしまいそうだ。これがこうちゃんのシャンプー、ボディーソープ…ふーん…
風呂からでると、脱衣所にはバスタオルとスウェットがおいてあった。タオルはすごくいい匂いがしていた。こうちゃんのスウェット、少し大きいかな。
髪をくしゃくしゃとタオルで乾かしながらリビングに行くと、温かいココアを入れてこうちゃんが待っていてくれてた。
こう「はやいね。俺も入ってくる」
俺「ぅ、うん。ありがとう」
40分位も長湯してしまったのに、はやいね、だって。どこまでできてるんだよ、彼は…。
ココアはちょっと失敗したみたいだ。カップの底に溶け切らず粉が固まっていた。カップを試験管みたいに回しながら不均等なそれを飲み干した。
ラジオからはEXILEが流れている。
20分もしないうちにこうちゃんは出て来た。
こう「ゴメン、長くなった」
俺「いや、はやかった 笑」
そこ、いい?
こうちゃんが隣に座った。おもむろに頭を抱き寄せられた。
これ、***っていう芸人だっけ?
俺「う、うん」
胸板に押し付けられた左耳は、彼の心音や、低く響く声を聞いた。
こう「間接照明だけにしていい?」