確かな予感があった。
綺麗なものをキレイだと思える感覚をシェアできる准と愛斗とは、きっとマブダチになれる。
また歩き出し、小学校の前に到着した。
俺はなんだかテンションが上がって、愛斗に雪をかけてみた。
愛斗も雪だまを丸め、俺にぶつけてきた。
そこから雪合戦みたいになって、キャッキャッ言い、走ったり喚いたり戯れた。
小学校を通り抜けようとして、出口に差し掛かった所に柵があり、ちょうどハードルぐらいの高さだったので、ジャンプして越えようという話しになった。 愛斗が、准くんの運動神経が凄いみたいな事を言ったので、闘争心が沸いた。
愛斗がやめとけ、とか言ってきたからよけい燃えた。 んで、准くんが助走をとり、軽やかに跳んだ。
おぉ、でもこの高さなら俺でも余裕。
俺もとぉ、と跳び、柵を越え、どんなもんだい、と思っていたら、そこからスローモーションになった。
体は越えたけど、カバンが柵にひっかかったのだ。 俺は前のめりに回転、落下した。
俺「いっ、痛ってえ」
准、愛斗「ちょ、伸之、大丈夫?」
俺「なんとか。あっああー」准、愛斗「どうした?」
俺「靴が、、」
俺の着地した場所が悪く、右足だけ泥をかぶってしまった。
俺「汚れちった笑
あそこでカバンが引っ掛かかんなかったら、跳べたんだけど、あはは」
准「あははじゃないし笑」
何だか笑えてきて、二人で笑った。
愛斗「だからやめとけって言ったのに。服も汚れちゃてるし」とホコリをほろってくれた。
准「伸之、靴何p?」
俺「26p」
准「いけるね、はい」
と言って自分の靴を差しだした。
俺「そんな、いいよ。大丈夫だよ」
准「だって、伸之このまま出勤するんでしょ?俺は家に帰るだけだから」
俺「ごめんね。ありがとう」俺は感動して、泣きそうになった。こんなにやさしくしてくれるなんて。
准は俺の靴で、ケンケンしながら、何もなかったように、唄を歌いながら、駅まで送ってくれた。
そんなところがカッコ良くて、じーんときた。
いろんな話しもした。
いっぱい笑った。
俺はますます准くんが好きになった。
准はタクシー代を受け取らず、愛斗と一緒に家に帰る事になった。
俺は明日、靴を返す事を約束し、地下鉄に乗った。
俺は、車両に揺られながら、今日一日あった事を思い出していた。
二人で撮った写メを見て、会いたいという気持ちが募っていった。
仕事をしている間もずっと准の事を考えて、ぼっーとしていた。
家に帰ると疲れ果て、ベッドに倒れこんだ。
翌日の仕事帰りに、靴をコインランドリーで洗い、差し入れを持ってら准の家に向かった。
また会えると思うとドキドキして、嬉しくなる。
札駅から汽車に乗って、向かっていると、准から、新札に着いたらメールして、とあった。
俺は准の家が大体分かってたので、タクシーで小学校まで行き、そこから歩いた。
坂を上がってすぐの家だったから、迷わずに着いた。インターホーンを鳴らすと中からスウェット着の准が出てきた。
准「えっのぶ。迎えに行くっていったのに。てかよく分かったね」
俺「すぐ分かったよ。靴ありがとうね。洗っといたから。あとこれ、みんなで食べて」
准「洗わなくていいのに笑これってケーキ?お金使わないでよ」
俺「笑。じゃあ俺帰るね」
准「えっ、もう帰るの」
俺「うん。返しに来ただけだから」
准「伸之、これから用事あるの?」
俺「ないけど、、」
准「じゃあ上がっていきな」俺「えっ、、うん、、」
俺は、ホントに帰るつもりだったけど、一緒にいたいと思った事も事実だ。
二日ぶりだったけど、懐かしい感じがした。
そして、落ち着く。
俺と准はまたお酒を飲み、お互いの恋愛話をした。
終電で帰る時間になった。すると、もう泊まっていけという感じになって、泊まる事にした。