本当はすぐに、一緒に行くと言いたかったけど、周りから狙っている、と思われたくなかったんで、一拍空けた。
俺、すぐ感情を悟らてしまう悟られなんで、普通以上に気をつけなくては。
准「のぶくんありがとうね」俺「全然。」
准「俺、のぶくんが絶対来てくれると思った。」
俺「、、」
准「めちゃ嬉しいよ」
准くん俺に来て欲しかったのかな?
めちゃ嬉しいの言葉にこっちがめちゃうれしかった。
入口前の駐車場に到着した。
外は相当、しばれていて(凍てついていて)、外気が刺さる勢いだった。
取り敢えず、お互いしゃがんで待っていたら、そのうちに自然と二人寄り添う形になった。
軽く肩を抱き合う姿勢だったが寒さのせいで、徐々に距離が縮まってくる。
気が付いたら、すぐ真横に准くんの顔があり、ドキっとした。
近くで見ても肌荒れ一つなく、自分と同じくらい白くて、顔が整っていた。
俺はめちゃくちゃ緊張した。胸がバクバク高鳴っている。こんなに格好良くてカワイイなんて反則だ。
チューしたい。それよりも自分の汗くささが伝わらないか心配だった。
実際は、そんな事を考えるほど余裕のない冷たさなんだけど。心の中は暖かかった。
准「のぶくんさ、てかのぶでいい?誰かと付き合ってたりするの?」
俺「俺、あんまこっちの人にモテないみたいなんだよね。まぁ女の子にもモテる訳じゃないけど、付き合いたいとは思わないみたい」准「えっ、、のぶ可愛くていいと思うんだけど。いい人に巡りあってないだけだよ。」
俺「俺なんて可愛くないよ准くんの方がカワイイじゃんか。准くん、えっ、ああ准は好きな人いないの?」准「いるよ!」
えっ、、、マジか、、好きな人いるんだ、、。
俺はめちゃくちゃショックを受けた。
ここで突っ込んで、誰?誰?飲み会の人?とか普通になら聞くんだろうけど、もうショックで唖然としてしまった。
それから、ちょっと沈黙があって、電話が来た。
准「そう〇号線沿いのキャッツ。そっからだとあと二つぐらいの信号かな。俺外で待ってるから、早く来てね。じゃあね」
准「もうすぐ着くって」
俺「うん」
楽しかった二人の時間も終わりか。まぁ准には好きな人がいるんだから、友達止まりなんだけど。
准「のぶ、ちょい睫毛に髪の毛付いてるよ。」
俺「マジで?どこ?」
准「取ってあげるね」
と言った瞬間、俺の唇と准の唇が重なった。
余りにも一瞬すぎて、でも感触が。
准「一緒にきてくれたお礼。あとのぶとしたかった」 ぎゃあ、、もう一度して下さい、、、
そして、黒タクが登場。なんで黒なのかと聞いたら、タクシーがもう全く走ってなかったらしい。
現れたのは今年卒業する、現役の高校生。
しかもプレミアム制服着。准「こーいち?」
光一「うん。じゅん?初めまして。そっちの人は?」准「飲み会の伸之くん。」
光「よろしく」
俺「よろしく」
光一は見た目、中尾明慶にクロブチの眼鏡をかけた感じだ。可愛いとは思うが全くタイプではない。
この後、この中尾明慶がまるで、春の突風を巻き起こすジェット気流の如く、俺と准、その他を渦に巻き込む事になるとは、全く想像だにしていなかった。