なんだかみんな笑ってるし。こういうのが一番苦手だ。その中の一人が話しかけてきた。
「のーぶくん?なんで素通りしたの?笑」
「え、っとなんか聞いてた人数と違ってたから」
そこには六人どころか団体と呼ぶに等しい10人超が集まってきていた。
すでに結構、他の皆は打ち明けていて、一人アウェーな感じだった。
「写メよりずっとかわいいね」
それはこっちのセリフだ。背は俺より小さいし、細いし、顔は小池徹平っぽい。 この人が今回の幹事のじゅんくん。
「じゃあこれからご飯食べに行こう」
改札を後にした。皆で何を食べるか相談しながら歩いていた。俺は話す相手がいなかったから、とりあえずじゅんくんの隣を歩いていた。彼は明るくて、ニコニコしていて、気配りさんで人気者だった。
当初予定していた店が満席で、予約をしていなかった事が驚きだが、その後いろいろ回ったけど、どこも閉店か、席が用意できないとの事だった。
3月とは言え、軽く雪が降っているくらい、寒い。そんな事もあり女の子が、早くして、と痺れを切らした。
じゅんくんはちょっと焦って、とりあえずカラオケでいい?と聞いてきたので、みんな了承した。
カラオケのキャッツは離れていたので、タクシーに乗る事に。グッチで乗車を決めたが、決まらなかったので、女の子二人とじゅんくん、俺でタクシーに乗った。誘ってくれたのが、嬉しかった。
女の子「めちゃ寒いから。風邪引いたらじゅんのせいだからね」
じゅん「えっ俺のせい?やだなぁ。のぶくん段取り悪くてごめんね」
話を振られたので、冗談っぽく、切れたふりして、
「本当だよ」って言ったら、めちゃくちゃへこんで、ごめんね、と謝ってきた。へこんだ顔が可愛くて、キュンときた。
俺「みんなは顔見知りなんだよね」
じゅん「俺とこっちのみちるは同級生。みちると谷とが同級生」
さっきから、寒いとか言ってるのが、みちるだ。
話を聞いてみると、みちるがバイっぽくて、谷がゲイでも大丈夫なノンケの女の子らしい。
カラオケに着いた時には10時半を廻っていた。
みんな何も食べていなかったので、ピザとかから揚げとかバラバラに注文した。じゅん「みんな遅くなってごめんね。幹事のじゅんです。(知ってるよ)今日は楽しく遊ぼ」
俺はじゅんくんと反対側の席になって、左にみちると谷が右にまだ名前もしらない男の人が座った。
そして、自己紹介のコーナー。遅れた俺からする事になった。恥ずかしい。
俺「東伸之、23です。よろしく」
「ちょいちょいもうちょっとアピールしてよ」
俺「えっ、、今日は気合いを入れて、美容室で市原隼人の髪型でお願いしました」
「どこが市原隼人さー」みちるが、つっこんできて、笑いに変わった。
そして、じゅんくんの番がきた。「三上准紀(じゅんき)身長は16pp、体重は50sでぴちぴちの20歳です」
みち「18すぎたら、ぴちぴちじゃないから」
准「みちうるさい笑。俺とみちは歌手になりたくて、アクターズに通ってます。彼氏いません。誰か拾ってください笑」
俺は、なんだか俺に向かって言われているような気がした。