若干動揺したけど優の爽やかすぎるその笑顔を見たら、どうでもよくなった。
どんな嫌なことも、気分が落ちてるときも優の顔を見れば、そんなことはどうでもよくなる。角砂糖みたいに甘く、侍みたいに凛々しい、あの笑顔は本当に麻薬みたいだ。
俺がグラスを運んだり、ポテトチップスを用意してると
「俺やるよ、もう大分回復したからさ
ってかグラスなんていいよ、そのまま飲もう!!」
と言って用意してくれる。
俺「ってか汗かいたっしょ?先にシャワー浴びて
サッパリして楽な格好に着替えてから飲まない?」
優「それいいな!そうしよっか!」
俺「優先に浴びてきていいよ、その間に優のシャツ洗濯しとくからさ。
シャワーはあそこのドアだよ。」
優「ほんとに?じゃあお言葉に甘えてお願いしようかな♪」
俺「うん、ほい、これ着替え♪」
優にスウェット生地のスウェットと優に似合いそうなTシャツを渡した。
だってさジーンズより、スウェットの方が酔っ払ったあと脱がしやすいじゃん。
酔いと恋の熱にうなされた俺は友達を脱がせようと企む小悪魔。
そういって優が入ってる間にシャツを洗濯し交代でシャワーを浴びた。
脱衣所が着いているので残念ながら下着は見れなかったが、脱いだTシャツをもらったときに上半身はばっちり見ることができた。
盛り上がった胸板に綺麗に割れた腹筋、後ろを向いたときに見えた背筋、無駄毛の一切ない綺麗な肌。全体のバランスのとれた均整美だった。
薄暗い間接照明に切り替えて、TVをつけ、お互いサッパリした姿でソファーとテレビを挟んだテーブルにお菓子とビールを並べ2人でソファーに腰掛けた。
色んな種類を買ったせいでアサヒ、キリン、のどごし生、コロナ、違う種類のビールがたくさんテーブルに並んでいた。
大き目のソファーを買ったせいで、優と少し距離がある。
小さい二人掛けのソファーを買わなかった自分に後悔しつつも、酔わせた後のことを想像少し興奮しながらお互い向かい合わせの状態で
「じゃあ乾杯しよっか」
と声をかけた。
お互いプシュッと心地よい音を立ててビールを開ける。
優「ってかビールだけで何種類あるんだよ(笑)
こんなに色んな種類のビール買ったの初めてだわ。
まぁいいや、じゃあお疲れーっす!!」
俺「たしかに買いすぎたな(笑)お疲れー!!」
缶ビールを会わせるとカチっと乾いた音がした。
改めて向かいあうとやっぱりカッコイイ。
コンビニにいるときも、キャンパスを歩いていたときも、大体の女の子は優の顔をじっと見る。だから一緒にいる俺も視線を感じる。それくらい優は、ほとんどの女が欲情してしまうほどカッコイイのだ。
しかもそのことを気付いていないわけはないのだが、少しもヒケらかさない。どんな人にも平等に優しく接するし、常に笑顔。
そんな優と俺はこれから二人でお酒を味わう。
他愛もない話をしながらどんどん缶を空けていく。
他の友達を何人か呼んで宅飲みをしたときなんか、酒はこぼすは暴れるは、観葉植物に喧嘩を売り出すはグチャグチャになったのだが、優は当たり前のように飲み終わった缶をちゃんと潰して、コンビニのビニール袋に入れてくれる。お菓子がなくなれば、パーティー開きに開いて、そっとウェットティッシュでテーブルを拭く。
やっぱり欠点がみつからない。
大体6缶くらい飲んだときに
「ってか啓祐って彼女いるの?」
「いないよ、高校のときから…。
今はなんかあんまり彼女作る気起きなくてさ。優は?」
いないも何も俺は男が好きなんだよ、
さすがにこれは言えない。
なんだか優の様子がおかしい。
「俺もいないよ。1回生のときはいたんだけど。
あのさ…言いにくいんだけど
俺さっき見ちゃったんだ…」