ラブラブな生活が続いているかに思えた・・・
でも,僕たちの別れは刻々と近づいてきていたんだ
「マネージャー三月で東北の方に移動になったらしいよ」
突然の知らせに思わず絶句した
純ちゃんが転勤するというのを聞いたのは二月後半のことだった
しかも店長から聞いた・・・
なんで純ちゃんは僕に直接言ってくれなかったのだろうか
最近メールも電話もしてない
向こうが忙しいのを理由にしていたから。
純ちゃんとはほとんど二週間近く会っていなかった
純ちゃん・・・
僕は転勤の事実を知ってすぐに電話したが駄目だった
このまま僕たちは別れてしまうのか・・・
遠距離になってしまうのか・・・
いや,きっと別れるだろう・・あっちは妻子いるんだし。
だいたい純ちゃんは僕のことを最初から好きじゃなかったんだ・・・
奥さんのもとに帰るんだろう
もともとノンケなんだから僕との付き合ってたのはただの一時期の気の迷いだったんだろう・・・
僕は諦めた
もう忘れようと思った
結局純ちゃんに会わないまま,三月の別れが来た
マネージャーが店に挨拶に来ると店長から聞いた
黒のスーツで普通に現れた
僕はずっと無視してやろうと思っていたが純ちゃんの姿を見ると少しドキっとした
こんな腹立ってるのに僕は本当に純ちゃんのことが好きなんだって思った・・・
みんながいるところでマネージャーは話だした
「えっと東北に転勤になりました。今までどうもお世話になりました。皆さん頑張ってください」
そんな短い文章で終わった
そして皆がお疲れさまでしたという一言で終わった
僕も軽く頭を下げた
その間順ちゃんとは一回も目を合わせていない
全く僕のことを見ていない
だからいいんだ・・
結局僕たちはただのパートとマネージャーの関係だったんだ
だからいいんだ
もうこれで一生あえないんだ・・・
純ちゃんの姿を目に焼き付けた
「それでは」
純ちゃんは足早に帰ろうとする・・・
その後姿を僕はずっと見ていると・・・
純ちゃんは振り返った
え・・・?
そしてそのまま店を出ていこうとする
ウゥ・・・
涙がポツポツと落ちてくる
そして僕は声を上げて泣いた
ウァウウゥゥ・・・
「どっどうしたの?」
店長を含め従業員皆が驚いた表情をした
それに気がついたのか純ちゃんは振り返った
皆が動揺しているから必死に涙を堪えようとした
「何でもないです」
それなのに何でこんなに涙があふれてくるんだろう
涙を止めることが出来ない
なんでこんなに好きなのに別れないといけないんだろう
もっと純ちゃんといたいのに
なんで純ちゃんが僕に何も言ってくれなかったんだろう
なんでこんな別れ方しないといけないんだ・・・
そんなことを思うと涙がとまらない
純ちゃんは戻ってきて僕を掴んで店を出た
僕がずっと泣いてると
純ちゃんが頭を撫でた
「お前泣くなよ。みんなに変に思われるだろ」
「何で僕に言ってくれないん?何でずっとシカトしてるん?はじめから僕のことどうでも良かったん?もう知らん。勝手に東北でも行けば?」
僕は泣きながらこんなことを言った
「何も言わなかったのはごめん。でもこれ以上情が移ったら別れがもっと悲しくなると思ったから・・・仕事を理由にお前と距離をとった」
「何だそれは・・・どんだけ辛かったと思っとるん?」
僕が涙を流してると
純ちゃんは僕を抱きしめた
「永遠の別れじゃないだろ。お前が,大学卒業して,うちの会社に就職して東北きたら会えるよ。だから笑顔でバイバイって言えよ」
数分間くらい純ちゃんの胸の中で泣いた
そして純ちゃんは他の店舗に挨拶するため行った・・・
純ちゃん・・・・
年は離れてるけど友達みたいで,凄く男らしくて僕をお父さんみたいに優しく包んでくれた
子供っぽいところもあってそんな純ちゃんが大好きだったし,一番尊敬できる人だった・・・仕事の面でもそうだったし。
最後は笑顔で車の中から手をふってくれた
僕も笑顔で手をふった
車が見えなくなるまで僕はずっと・・・ずっと・・・
二年後・・・
僕は大学を卒業して,バイト先の会社に就職した
まず店長として店を経営していく。マネージャーのもと僕は一歩一歩経営者として成長していく。
もちろんそのマネージャーはあの人!
end
こんなつたない文章を読んでいただきありがとうございました。これからまた機会があったら書いていきたいと思います。
僕が今マネージャーに恋をしているのでその気持ちを書きました。
いつかこんな恋をしてみたいです
また会いましょうみなさん。コメントくださったらうれしいです。