「おはようございます」
「あっおはよう」
僕が7時半に出ると決まって,彼と出くわす。
その彼とは,近所に住む僕より三歳年上の大学生のヒロキさん。
いつも学校に行くときに決まってヒロキさんが家の前を歩いて通る。
ヒロキさんに挨拶するのが日課になっている。
僕とヒロキさんは,それ以外に口をきくことはない。
僕が小学生のときに学校まで連れて行ってもらっていたのはあったが,親同士も仲良くないし,子ども会で少し話すぐらいだった。
だからほとんど会っても話すこともない。
僕は密かに彼にあこがれていた。
ヒロキさんは,茶髪で一見チャラそうな感じ。だが,高校のときは甲子園に出たことがある。
僕はいつもヒロキさんを目で追っていた。
でも話しかけることが出来ない・・・
いくら小学生のときに話していたとはいっても・・・
僕はヒロキさんについてもっと知りたいと思ったけど,どこの大学に行ってるとか全くわからなかった。
そうこうしているうちに,高校三年生になり,僕は進路決めに苦労していた。就職しようか,進学しようか・・・働くの面倒だし,進学しようと思った。
どこの大学かは全く決め手いなかったが,A大学にしようと思った。こっから電車で二駅だしとかそういう簡単な理由で決めた。
そして,六月のオープンキャンパスに参加することになった。
僕は友達と二人で行くことになった。
その子は別にこの大学に興味があるわけでもないが,僕が無理やり誘った。ノンケの友達だ。
六月の初旬
オープンキャンパス!
なんか緊張する。
僕はいつもの制服より少しキチっとして行くことにした。
もしかして,服装態度見てるかもしれないし・・・
大学は広かった!!
なんだ!!この広さは!!
僕は驚いた。
大学ってこんな広かったのか。。。
たくさん高校生がいる。
チャラい感じの高校生や,マジメな感じの子までさまざまな人がいる。
大学生の人たちが案内をしていた。
僕たちは受付をしてから,大学の授業説明などを聞いた。
そしてキャンパス内を案内してもらうことになった。
僕らは六人ぐらいに分けられた。
友達はなぜか違うグループにふりわけられた。
僕だけ一人?
周りはなんかあまり話せない感じの,ヤンキー系?(笑)
案内してくれる学生が紹介された。
「松尾ヒロキです。三回生です。よろしく」
あ!!
ヒロキさんだ!!
僕は驚いて口があんぐりなった。
「あれ?キミ,ソウスケ君だよね?」
「はい」
「キミここの大学志望だったん?」
「まぁ・・はは」
まさかヒロキさんに会うとかマジラッキー!!
これは運命なのでは?僕の胸は高鳴った
案内してくれるんだけど,どうやら,みんな興味がない様子で図書館で休憩することになった。
そのとき僕はヒロキさんと話した
「マジ驚いたわ(笑)ソウスケ君がいるとかね」
「僕も驚きましたよ。まさかここの大学とは」
「こうやって話すの何年ぶりだろうね」
ヒロキさんは上を見た。
そういえばヒロキさんとこうやって会話するのは何年ぶりだろう。挨拶しかしてないから・・・
僕はなんかうれしくなった
それから,一緒に食堂でランチしてから僕たちは,体験授業をやった。
その間,広きさんが自分の横にいた。
ヒロキさんがいるから緊張して,内容をあまり覚えてない。
僕にとってこのオープンキャンパスは忘れられない思い出になった。