俺はベッドの脇に敷いてくれた布団に入った。
カズはベッドに入り電気を消した。
カズ「明日何する?」
俺「何しようか」
寝の体制に入ったが、他愛の会話が続く。
唐突に
「ってかミツの悩みって何?」
「ん?!」
いきなりのフリだったから面食らった。
「別に悩みなんて無いけど・・・」(男も女も好きってのが悩みなんだけど)
カズ「でもさっき結婚の話になったときに・・・」
(なんて勘が鋭いんだ)
カズ「俺で力になれることあったら聞くよ?」
俺「うん、ありがと。でもコレばかりは聞いてもらったところで何の解決にもならないし、聞かされたほうも重くなるだけだと思うよ?」
(この言い方は確実に悩みを聞いてくれって遠まわしに言ってるし!)
言葉の選択誤った
カズ「俺は別に重いとか思わないかなぁ、逆に言ってくれたほうがいいかも」
コレは俺にカミングアウトをしろって言っているのか?
悩んだ挙句、俺は言ってみることにした。
俺「オレ、実は男性も恋愛対象に入るんだ。」
カズ「あ、そうなの?ぜんぜんわからんかったぁ〜!」
(そりゃ27年間隠して生きてきたから)
カズ「でもありがとう、言ってくれて、だからって別に俺らの関係が変わるわけじゃないしさ!」
俺「いやいや、こちらこそ」
腐女子向けの話なら俺は涙を流してありがとうって言うんだろうけど、現実ってこんなもん、案外さらっとしている。
カズ「いつ頃からそうなの?」
俺「いつだろうなぁ、そうかなって思い始めたのは高校くらいかな」
カズ「男と付き合った事ってあるの?」
俺「いや、それは無いよ、一応ノンケを装って生きてますから」
カズ「ノンケ?」
しまった、癖でノンケって言ってしまった。
俺「ノンケってのは、カズみたいに女性が恋愛対象の男性のこと。俺みたいに両刀のことをバイって言ったり」
カズ「へぇ、そうなんだぁ」
(ヤベっ、ちょっとコアな事話してしまったかな)
カズ「で、男が好きってどんな感じ?」
俺「どんな感じって、別に普通だよ、普通に女を好きな感じと変わんないよ」
カズ「そっかー」
さっきからくい気味にいろいろ聞いてくる。
カズ「ミツははどっちなの?」
俺「何が?」
カズ「男の役?それとも違うほう?」
だんだんディープな話題になってきた。
俺「いや、まあ、上になったり下になったり?みたいなw」
カズ「そっかぁ」
俺「っていうかさっきからそっかーしか言ってなくね?」
カズ「そう?w」
ちょっと間が空いた。
カズ「男にされるってどんな感じ?」
「!?」
これはどういう展開だ?なんだかイロイロわかんなくなってきた。