カズがシャワーから出てきた。
すでに上はシャツ、下はハーパンを履いた状態、ハーパンの下はちゃんとパンツも履いていた。
(そこは上半身裸だろ~)
と思いつつ、用意してくれたビールをグラスに注ぐ。
カズ「ミツはシャワー浴びなくていいの?」
俺「うん、風呂入ってきたから大丈夫」
カズ「そう?じゃあカンパぁ~イ!」
また飲み始める。
話は6月に行う予定の結婚式の話になった。まだ全然式の内容とかは決まって無いらしい。
俺「生で演奏すれば?俺歌うからw」
カズ「歌うんならどんな曲?」
俺「うんとね、こんなのどう?」
片耳だけにヘッドホンをかけ、iPod shuffledeで曲を探し始めた。
俺「あったあった、この曲」
カズ「どれ」
と言ってもう片方のイヤホンをカズは自分の耳にかけた。
(顔近ぇ)
風呂上がりの匂いで理性が吹っ飛ぶ寸前、Wエンジンのネタじゃないけど、惚れてまいそうになった。
カズ「イイ曲だけど、ギターいらなくね?」
俺「ん、ああ、そうだね」
気が気じゃなく、中途半端な答えになる。
時計は深夜1時を回り、酒も進み、お互い朝から仕事だったので、だんだんテンションが下がってきていた。
カズ「そういえばミツは結婚しないの?」
この質問が一番困る。
一瞬カズの顔が曇った気がした。
カズはなかなか勘が鋭い、そんなそぶりを見せなくても落ち込んでいると力になってくれた。
俺「まあ、いい人が現れたらそのうちするんじゃない?」
とか言って適当に濁したけど、何となく悟られた。
「そろそろ寝ない?布団敷くね!」
(同じベッドじゃないか、さすがに)
期待はしてたけど、そこはノンケ、奥さんと寝てるであろうダブルベッドには寝かせてくれなかった。
続く