遅くなりました。
偶然とはかさなるもので、ちょうどその帰り道のこと。
いつものように本屋によって本を買ってファミレスでの読書中・・・
「あれ?こっこ?」
開いたページのどこまで読んだかを記憶してから顔をあげた。
中学の同級生の女子がいた。
彼女はどちらかといえば、傍観者の位置にいた子だ。
自分も部活内でいじめをうけた経験があったからだと思うが。
特に話したいこともなく、すぐにほんのページを開いた。
「ねぇ、Tのことまだ恨んでる?」
「は?」
座りもせず、腰を少しかがめて、片手に携帯を持ちながら話しかけてきた。
この質問は中学を卒業してからよく受けていた。マニュアルができつつある。
「別に・・・。」
一番無難な答えだと思う。否定もせず、肯定もせず。そして卑怯な答えだと思う。
「聞いた話なんだけど。こっことTってめっちゃ仲良かったじゃん?でね、MちゃんがTのこと好きだったらしいのね。」
そんな話は日常茶飯事だった。
「で?」
「で、休みの日もいつも一緒にいたじゃん?二人。あの日さ、ペアで英語の読みあいあったの覚えてる?」
‘あの日‘。すべてが敵になった日。忘れもしない。
「Mは席がTの隣だったから、Tに声かけようとしたら、Tがすぐにこっこのとこいっちゃってさ。それでMめっちゃむかついたらしくて。」
「うん。で?」
本からは目を離さない。
「あのときって授業中に手紙こっそり回すの流行ってたじゃん。Mが‘Tとこっこってもうやったらしいよ。Tが男役でこっこが女役。こっこは完全にTをモノにしたね。むかつく‘みたいな手紙をKに回したんだけど・・・・。その手紙がなんでだかTの席の近くに落ちてて、Tがそれを読んじゃって・・・」
「それがなんなの?」
「Tはもしかするとホモで、ほんとはこっこのこと好きだったから意地張っていじめてたんじゃないかって言ってたんだ。それでさ、私いま居酒屋でバイトしてんだけどこの前Tが来て・・・。酔っ払って‘こっこにあいてー!‘とか言ってたの聞いちゃったから・・・なんていうか。」
いまさら・・・。
「別に。もう卒業したし、どうでもいいよ。」
「そっか。ごめんね、本読んでたのに。」
彼女は帰った。俺はとりあえず煙草に火を着けて、深く吸い込んで、深く煙をはいた。体中の空気が出ていくように。
風呂に入る時に、背中の傷が気になった。
Tの取り巻きの連中に呼ばれ、夜の公園で待っていたら背中で「パーン!」と音が鳴った。ジワジワと傷んだ背中からは血が滲んでいた。何本ものロケット花火が飛んできた。背中の傷は化膿して、何かで深く切られたかのような傷が残ってしまった。
その翌日、Tが取り巻きの連中を殴り倒したのを思い出した。
もしかすると・・・・。
いや、期待はしない。
でも・・・。解決はしたい。理由が知りたい。
俺は何も知らない。
なんとかして、Tにコンタクトをとろう。
ただ文字だけを追っていた本を閉じて、電気を消した。
ちょっと具合が悪いのでもう寝ます。本当にエロくなくて申し訳ないです。
ちょと次の再会したとこあたりはぶっとびモードで書くんで次はエロに入れます。たぶん。笑