ちょこっといろいろ否定的コメントでもめてしまってる様ですが、応援してくれてる皆さん、ありがとうございます。
いつかこういうコメントは来るとは思ってたんですけどね^^;
小説チックに書いてるのは、俺がそういう風に書いてみたかったからです。
だから内容は100%事実に、プラスアルファで小説風表現です。会話中の言葉とかも99%そのまんま、1%うろ覚え、要綱は100%そのまま。
そこんとこヨロシクお願いします。
お言葉に甘えて、否定される方は気にしないで行きます。
ではお待たせ致しました。
実話の続きです^^
タイトルの通り、最終回です!
残すところ、この<最終回>と<エピローグ>の計2回の投稿となりました。
今まで応援ありがとうございました!
<エピローグ>の投稿終了まで、どうぞヨロシクお願いします!
続き・・・
突然やってきた霧斗の姿に、俺は一瞬ビクっとした。返す言葉が見つからず、ずっと無言で、目を合わせられない。
霧斗「入れてくんないの?」
俺「え・・・あ・・・どうぞ・・・。」
思わず堅苦しい言葉が出てきてしまった俺を、霧斗はクスっと笑った。
とりあえずいつもみたいにベッドに腰掛ける。
俺は霧斗が何を言い出すのかばかり気になって落ち着かない。心臓が喉まで上がる感触。
霧斗は何も言葉を発さない。沈黙だけが続く。
ただ刻々と・・・ただ刻々と・・・。
部屋の時計がカチカチ進んでる。TVは一人で笑ってる。そんな中ただ座って何も言葉を交わさない時間。
霧斗「あのさ・・・。こないだの事で・・・話があんだ。」
強張った表情のまま霧斗が重い口を開く。俺は黙りこくったまま、霧斗の話に耳を傾けた。
霧斗「ゆうの気持ち、変わらないんだよな?今でも・・・」
俺は黙って頷く。今でも霧斗を好きという気持ちに一寸の狂いもない。その気持ちだけで突っ走った結果が、1週間前のあの日だったんだけど・・・。
霧斗「そうか・・・。」
霧斗はため息をつく。俺は次の言葉を気長に、それでいてドキドキしすぎて狂いそうになりながら待った。
霧斗「2年半・・・」
俺「・・・え・・・?」
霧斗「2年半も・・・ず〜っと・・・俺のこと・・・」
俺「う・・・ん・・・」
霧斗「ゆうは・・・男が好き・・・なのか・・・?」
俺「・・・うん・・・」
霧斗「そ・・・っか。」
あの日の様な気まず〜い空気。窓は開いたままなのに部屋の空気は重い。
霧斗「ゆう・・・」
そう言うと霧斗は、急に俺を抱き寄せた。
霧斗「ごめんな・・・」
ごめんな・・・
そっか・・・俺の恋は・・・叶わないのか・・・。
やっぱり無理だろうな・・・相手はノンケなんだ・・・。
・・・と思ってた。けど・・・
霧斗「俺お前の事全然分かってなかった・・・。」
俺「え・・・?」
どういう事・・・?
霧斗「俺お前と2年半も親友やってたのにお前の気持ちなんて気づいてやれなかった。そんなんマジ悔しいし・・・」
俺「・・・。」
霧斗「ずーっと自分の気持ち抑え込んでたんだろ・・・?」
俺「・・・。」
霧斗「辛かったんだろ・・・?」
俺は・・・ただ霧斗の腕に包まれながら・・・ただ霧斗の優しさに包まれながら・・・何も言えなかった。
霧斗「ゆう・・・もう・・・一人で悩んだりすんなよ・・・。」
俺「・・・え・・・?」
霧斗「抑え込むなよ・・・もう・・・。」
きいちゃん・・・何を言ってるの??
俺「どう・・・ゆうこと・・・?」
霧斗「俺が受け止める・・・。」
俺は一瞬その言葉の意味が分からなかった・・・。
俺が受け止める・・・それって・・・それって・・・。
俺「それって・・・」
俺は霧斗の腕をほどいて、霧斗の顔を直視した。
霧斗の表情は・・・
いつもの優しいきいちゃんの笑顔だった。
霧斗「俺で良いんなら・・・今日から親友以上だな。」
俺「それって・・・つまり・・・」
霧斗「何度も言わせんなよ・・・照れくせーだろ。」
霧斗はまた俺を抱き寄せた。さっきより力強く、俺を離さない。
そして俺の耳元に優しく囁いた。
霧斗「男同士の恋愛、色々教えてくれよ。俺全然分かんねえんだから。」
その言葉でやっと俺は、すべての状況がのみ込めたんだ。
きいちゃんと・・・俺・・・恋・・・かなった・・・?
俺の気持ち・・・きいちゃんに・・・通じた・・・?
俺・・・きいちゃんの・・・彼氏・・・?
きいちゃん・・・俺を・・・受け入れる・・・?
俺は・・・この世の幸福全てを束ねても足りないくらいの、人それぞれにしか分からない幸せってあるんだなって・・・その時初めて実感したんだ。
俺「ありがとう・・・!」
きいちゃんは黙って俺を優しく抱きしめてくれてた。
・・・と思ったら、急に腕をほどいて俺に向き合ったんだ。
霧斗「こないだはちゃんとしてなかったから・・・。」
俺「え??」
そう言うときいちゃんは、はてなマークの俺の唇に、きいちゃんの唇を重ねてきたんだ。
1週間前に、俺が無理やりしたキス。
あの時と同じ、きいちゃんの柔らかい唇が触れてる。
でも・・・1つだけ・・・全然違うんだ。
今日は・・・互いの唇だけじゃなくて・・・
互いの心も触れてるんだ。
長い長いキス。
きいちゃんは俺の頭に手を回して、離さない。
毎日の様にいっつも会っていた親友が、今、俺を唇で受け入れてくれてるんだ。
今日までの1週間、俺は何にも考えられなかった。
死んだ魚の様な目で、魂を吸い取られた、生きる屍のごとくぐったりと過ごしてたこの1週間。
寝ても起きてもきいちゃんの事しか頭に浮かばなかったこの1週間。
悔しさと悲しさで食事ものどを通らなかったこの1週間。
その辛さ全てが今、きいちゃんの優しさで癒され始めてる。
何もかも、きいちゃんの愛が洗い流してくれる。
少しずつだけど・・・確実に溶かしてくれるんだ。
唇を離したきいちゃんは、あの優しい笑顔で俺を見つめてる。
霧斗「ゆう。」
俺「何?」
霧斗「これからまたヨロシク。^^」
この瞬間、俺に初めての彼氏が出来たんだ!
2年半の想い、無駄になんなかった!
もう俺、陰に隠れる必要無いんだ!
嬉しさと、幸せと、ドキドキとワクワクが俺の体中を電流の様に走り回って、全身がこの喜びに反応してるんだ。
俺「ほんっとに・・・ほんとに良いのか・・・?」
霧斗「良いんだ。俺決めたんだよ。1週間ずっと考えて出した答えなんだし。だってこれしかないだろ。」
俺「これしかないって?」
霧斗「こうしないと、俺達気まずくなっちまうだろ?それだけは俺、ぜってーに嫌だからな。」
俺「あ・・・そう・・・だよな・・・。」
何だか・・・ちょっと違う様な気もした・・・。
え・・・妥協案・・・ってこと?
思わず俺、ちょっと表情が曇っちゃったんだ。
霧斗「あ、別に妥協とか、仕方ないからとかじゃあねえんだよ。そこは履き違えんなよ^^;」
俺「でもさっきの言い方だとよ・・・。」
霧斗「ゴメンゴメン!そう取られちゃうか。^^;」
戸惑いの混じる喜びを感じてしまってる俺を見て、きいちゃんは慌ててフォローした。
霧斗「これを先に言った方が良かったかな。」
俺「ん?何を?ー_ー」
霧斗「えっと・・・その・・・あれだよ・・・。」
俺「はっきり言ってくれって。お前らしくねえぞ。」
霧斗「だから・・・お前の気持ちを受け入れられるのは・・・俺しかいないのかなぁ〜・・・とか思ってたりな・・・すんだよ。」
きいちゃんが照れてる。顔がちょっと赤くなってる。
思わず軽く吹いちゃった。
霧斗「てめ!笑うなよ!」
俺「だってきいちゃん顔赤いんだもん。^^;」
霧斗「え、マジ・・・?^^;」
思わず2人、笑っちゃったんだ。
やっと、いつもの俺に戻れた。いつものきいちゃんの笑い声が聞けた。
俺「俺、きいちゃんの事・・・信じても良いんだよな?」
霧斗「モチ!あ・・・でも俺、ホントに男経験無いから、めっちゃ分からない事あるけど、フォローとか頼んだぞ。」
俺「わかってるよ。でも・・・俺も経験無いから、見よう見まねでな。」
霧斗「え・・・でも・・・ちょっとは知ってんだろ?」
俺「ん〜・・・お前と比べたらな。」
霧斗「何だか・・・頼りねぇなあ・・・。」
俺「ダイジョブだって!^^」
ちょっと俺も不安要素はあったけど、そんなの付き合っていくうちにきっと消えていくから。
霧斗「つか経験無いって・・・俺お前の初カレになるんだな。」
俺「そう・・・だな。」
霧斗「何だか地味に記念じゃね?^^」
俺「記念って・・・^^; まあ・・・記念だな^^」
二人「ハハハハハハ!」
こうして俺達の、ぎこちない「男女の恋愛」ならぬ「男男の恋愛」が始まる事になったんだ。
一瞬がっかりしちゃった様に思えたけど、今は俺、きいちゃんを信じてる。
友達から恋愛に発展するとギクシャクしやすいとか聞くけどさ、きっと、乗り越えられるって俺もきいちゃんも信じてる。
だって、俺たちは恋人より前に、2年半の親友関係で培った<信頼>があったから。
<とりあえず・・・完>
(エピローグへ続く。)