続編UPします!
ご愛読の皆様、お待たせ致しました。
初めての方、下方に1〜12がありますので、よろしかったらそちらからどうぞ。
話は徐々にクライマックスへ近づいてます!
続き・・・
波乱の一日が明けた8月の暑い朝。どしゃぶりでジメジメしてる。
泣き疲れて泥の様に眠った俺は、起きた後もベッドの上でピクリとも動かなかった。
昨夜の出来事、夢じゃないんだよね・・・。
俺、禁断の一線を越えたんだよね・・・。
もう、元には戻れないんだよね・・・。
何であの時キスしちゃったんだろう・・・。
キスしなかったら、きいちゃんはそのまま最高の親友でいられたはずなのに。
でも、もしあの時キスしなかったら・・・。
キスしなかったら、俺はずーっと陰できいちゃんを想うしか出来ないままになってたのかな。
俺はずーっと自分のホントの気持ちにウソ付き続けて、自分を偽って、恋愛と友情の間をさまよって葛藤して・・・
きっとそんな事してたらいつかは爆発して・・・自分が自分でいられなくなっちゃう・・・。
悲しくなった。後悔の念が心で燻ってる。
でも・・・不思議と涙は出てこない。
昨日涙が枯れるまで泣き続けたからかな・・・。
ケータイを開いても、着信もメールも無い。
受信ボックスを開いても、一昨日の夜のメールしかない。
―――――――――――――――
じゃあ明日ヨロシクな〜^0^/
マジ助かる!!
―――――――――――――――
今・・・きいちゃんどうしてんのかな・・・
ショック受けてねえかな・・・
俺達・・・これからどうなっちまうんだ・・・
色んな事が交錯してる。
胸が引っかき回されてる。
気持ち悪い・・・うっ・・・!
空っぽの胃からこみ上げる不快感。俺はトイレに駆け込んだ。
何にも出ない・・・でもひどい吐き気がする・・・。
10分くらいずっとトイレに閉じこもって、俺は出もしない吐瀉物を出そうとしてた。
やっと少し落ち着いた俺は、ベッドに横になった。
窓を叩く雨音しか聞こえない、薄暗い部屋で、いつしか俺はまた眠りに落ちてしまった・・・。
***
それから数日。
バイト先でもなかなか集中できない。飯を食っても味が分からない。
俺は来る日も来る日も、ほとんどベッドの上で過ごしてたんだ。
俺の精神はすでに仮死状態だったんだと思う。
ケータイを見ては、きいちゃんからのメールを待ってたんだと思う。
窓の外を見ては、きいちゃんが来るのを待ってたんだと思う。
俺から会いに行く事も、物理的には出来たのかも知れないけど、きいちゃんは、もう俺の顔を見たくないんじゃないかと思ってしまうと、足がすくんでしまうんだ。
そして、何に対しても明るくなれない状態のまま、1週間が過ぎたある日の夕方だった。
俺がベッドに横たわってぼーっとしてたら、玄関をノックする音が聞こえた。
まさか・・・きいちゃん・・・?!
俺は慌てて玄関に。
俺「どちら様・・・ですか?」
男「クロネコヤマトですが〜!」
何だ・・・配達のお兄さんか・・・。
がっかりした・・・と同時に・・・安心・・・?
配達員「こちらにハンコをお願いしま〜す!」
やたら明るい配達の人にちょこっとイラっとしてしまった俺は、ぶっきらぼうにハンコを押しつけて、荷物を受け取った。
浜松のオカンからの荷物。インスタント食品とか、ちょっとした漬物とか、まあいつもの中身だった・・・けど・・・。
一つだけいつもと違った。
うなぎパイが入ってたんだ。
####################
元気にやってますか?
大したもの送れないけど、食べてね。
あと、うなぎパイは霧斗君にあげなさいね。
####################
・・・渡せねえよ・・・どうやって渡せってんだよ・・・。
悔しさで心が深くえぐられる。
俺はそのままベッドに倒れ込んだ。もう・・・なんにもやる気がしない・・・。
俺は乱雑に開けた段ボールを放ったまま、いつの間にか寝ちゃったんだ。
***
何時間か経ったその日の夜。
起きた時にはすでに外も暗い。部屋も暗い。
時計を見たら21時過ぎだった。
4時間くらい寝ちったんか・・・はぁ・・・。
何もする事がなかったから、俺はまた目を閉じた。
でもあまりにも寝過ぎたせいで、もう眠くない。
仕方なく仰向けのまま目を開けて横になってたんだ。
しばらくした後、TVでも見ようかとリモコンを探して、電源を入れた直後、また玄関のドアがノックされた。
また宅急便かなんかだろ・・・
そう高をくくって、何も問いかけずに直でドアを開けたんだ。
そしたら・・・宅急便でも郵便局でも何でもなかった・・・
そこには、硬い表情の霧斗が立ってたんだ。
霧斗「よ・・・久しぶり・・・。」
続きます。