お待たせしました。
出来事満載の今回は超長編です。
こんなに長くてゴメンなさい。
続き・・・
霧斗「ゆう〜。悠太〜。」
きいちゃんの声がする。きいちゃんが呼んでる。
優しい声だなぁ・・・。きいちゃん・・・どこにいるの?
霧斗「ゆう〜。起〜き〜ろ〜よ〜。」
ん・・・?夢・・・じゃない?
霧斗「ゆう〜!新幹線!!」
しん・・・かん・・・せん・・・?あ!
俺はすぐに夢の世界から引きずり出された。
俺「きいちゃん今何時!?」
霧斗「10時半過ぎだよ。お前のこと30分位起こそうとしてたのに全然起きねんだもん!(笑)」
俺「ごめん・・・。ありがとね・・・。目覚ましセットしたのに。」
霧斗「ああ、俺お前の携帯のアラームで起こされたんだぜ。聞こえなかったの?」
俺「う・・・ん。苦笑」
霧斗「ねぼすけだなぁ、ゆうは!(笑)」
優しすぎる親友の、まぶしい笑顔。朝から癒されるなぁ。
霧斗「てか時間ダイジョブ?」
霧斗の一言で現実に戻される。そういや起きる予定の時間より1時間寝坊してんだよな・・・
俺「ちょこっとヤバイかも・・・。シャワー浴びてくる!」
俺は風呂場に駆け込んで、とりあえずシャンプーだけしたんだ。
ホントは20分位ゆっくりしたかったんだけど、時間も時間だし、5分ちょっとでシャワーを終えた。
急いでそこにあったハンドタオルで拭いてたら、俺、気づいたんだ。
「着替えのパンツ・・・!」
いつもタンスに入れてあって、シャワー浴びる前に風呂場に持ってくんだけど、今日は慌ててたから出さずに浴びちゃったんだ。
穿いてたボクサーは昨日の一件で我慢汁がくっついてるから気持ち悪いし・・・。
大判のバスタオルも干したままリビングに・・・。
ハンドタオルじゃ中途半端に隠れるけど、ビショビショだし、片手塞がるからパンツが穿きづらい・・・。
「フルチンで出るか・・・。」
俺のチンコはズルムケ8cm。まあまあ大きめだし、恥ずかしがる事なんて無いんだけど・・・。
仕方がないから、そのまま風呂場の外に出たんだ。
霧斗「ワオ!フルチ〜ンねぇ〜!(笑)」
俺「んだよその言い方!つか見んなよ!」
早速霧斗はエセ外人みたいな喋り方で全裸の俺をからかう。
俺は顔を赤らめながらタンスを開けて、トランクスを取り出した。
霧斗「てかゆうのチンコデカいな!ムケチンだし!」
俺「え・・そ、そうか・・・?」
俺、他人にチンコを見せた事が一度も無かった。つまり男とも女とも一度もセックスした事がない生粋の童貞クンなんだけど。
だからデカイとか言われてかなり照れくさかった。それも意中の相手に言われたから余計にドキッとしたんだ。
霧斗「まあ俺の方がデカイけどな!(笑)」
霧斗はそういうと、ジーパン越しに股間をポンと叩く。
霧斗のデカチンが目に浮かんできちゃって、俺のチンコが反応しそうになったから、急いでトランクスを穿いた。
俺「お、おまえのはデカ過ぎんだよ!」
霧斗「だよなぁ。俺もそう思うわ〜。ヘヘ。でもゆうのもデカイから、エッチで沢山泣かしてるんだろ〜?」
俺「ま、まあな・・・!最近してねえけど・・・。」
一度もやった事ないのに、見栄を張りたいのは、男の性ってもん。
俺「きいちゃんだって、ユキちゃん毎回メチャクチャにしてんだろ?」
霧斗「ん〜・・・最初の頃はそうだったけどな・・・。」
俺「最初は・・・?」
霧斗「うん・・・なんつーか、最近全然ヤらせてくんねえんだよ。セックスレスってやつ?」
意外だった。俺がユキちゃんだったら毎晩でもあの馬並みチンコを欲しがってメチャクチャ喘ぎまくるのに・・・。
俺「もう・・・どれくらいになるん?」
霧斗「半年近い・・・かな・・・。」
ホントもったいない!ヤッてない分俺とヤッてくれとか言っちゃいそうだった。もちろんそんな事言えないけど。
霧斗「つか時間!」
俺「あ!ヤベ!」
もう11時を過ぎてた。。おちおちゆっくりしてられない。こっから駅まで歩いて15分、東京駅まで電車で20分ちょっと、その上未だに東京駅の中で迷っちゃうから、かなり余裕見とかないと新幹線に乗り遅れちゃう。
俺はドライヤーもワックスも諦めて、タオルドライして、赤Tシャツと白ブルゾン、黒ジーンズを着けて、荷物持って急ぎ目に出たんだ。
霧斗「忘れもん無い?」
俺「おう!荷づくりはもう済ませてあったからダイジョブ!ごめんな、バタバタ急がせて。」
霧斗「そんなん全然良いって!謝んなよ!」
爽やかな笑顔で答える霧斗。優しすぎる。
バタバタしながら東京駅に何とかついたら、もう12時過ぎ。
俺「っと・・・どっちだっけ・・・」
俺は案の定迷子の気配が・・・。でも今回は違った。
霧斗「お前初めてじゃねえだろぉ〜(笑)」
俺「あ、いや・・・なかなか分んなくてよ・・・。」
霧斗「東海道だろ?こっち!」
頼もしい親友は、戸惑う俺を先導して、ホームに連れてってくれた。
霧斗の地元は広島だから、俺と同じ様に新幹線で帰省してるんだ。
なかなか東京駅を覚えない俺とは対照的に、霧斗は迷い無く俺を引っ張ってくれる。
きいちゃん、ありがとう。
迷子にならずに済んだおかげで、出発30分位前にホームに着けた!
まだ余裕があるから、ベンチで休む事にした。
霧斗「ほい、飲めよ^^」
俺に暖かい缶コーヒーを差し出してくれた。ホント優しすぎ!
俺「あ〜、サンキュー!はぁ〜・・・あったか*^^*」
その日はちょっと肌寒かったから、コーヒーの暖かさがホッとさせてくれる。
いつもみたいに他愛のない会話をしながら、世の中の何よりも暖かくて美味しいコーヒーをすすってると、すぐに時間が来たんだ。
俺「じゃあそろそろ行くね。」
霧斗「浜松着いたらメールしろよ^^」
俺「モチ!^0^すぐメールするわ!」
俺は霧斗と拳を合わせて、新幹線に乗った。
窓側の席に座って外を見た。ちょうどエスカレーターに乗る直前で俺を見つけた親友は、俺に向かって手を振ってくれた。俺も、霧斗がエスカレーターに乗って見えなくなるまで、ずっと手を振ってた。
嬉しいよね。
ここまで俺に優しくしてくれるんだ。
新幹線が東京駅を出る時も、一気に加速してる時も、俺の心は霧斗の優しさと暖かさでいっぱいだった。
暇つぶし用のマンガを読んでたら、新幹線はあっという間に地元へ。
約束通り霧斗にメールを送る。
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今無事着いた!見送りホントありがとな!^^
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何を送れば良いか分んなかったから、とりあえずありがとうメールを送ったんだ。
そしたらすぐに返事か来た。
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全然良いっつーの♪
てかさっき言い忘れてたんだけど、うなぎパイ楽しみにしてるよ^0^
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土産物の指定までしてくるから思わず噴き出しちゃった。
最初からうなぎパイ買って帰るつもりだったんだけどね。
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ハイハイ^^;
一年分買ってきてやろうか?
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そ、そんなにいらんわ!*0*(爆)
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東京と浜松、離れてんのにまるでそばに居るかの様に、霧斗の笑顔が目に浮かぶ。
法事とか、甥っ子とかと遊んであげたりして、久しぶりのバタバタウィークエンドになりそうだったけど、霧斗のおかげで頑張れそうな気がした。
そんなこんなで、忙しい週末もあっという間に終わった日曜日。明日はユル〜い講義だけだったけど、その日の夕方の新幹線で東京に帰る事にしてた。
新幹線に乗る前に20分位時間があったから、霧斗にメールしたんだ。
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今から帰るよ!きいちゃんお楽しみのうなぎパイも忘れずに買ってあるし^^
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いつも通り、絵文字もちょこっと入れてメールを送ったんだ。
・・・そしたら・・・どうしたんだろう・・・。
いつもなら間髪入れない速さで返信くれるのに、5分経っても、10分経っても、新幹線が出る直前になっても返事が来ない。
今週末は朝から16時までバイトが入ってる霧斗。もう17時も過ぎてるから、すでに退勤してるはず。
「まあ・・・今忙しいんだろな・・・。」
東京駅に着くまでには返事が来るって思いながら、俺は地元を離れた。
行き同様、マンガを読んで暇つぶししてたけど、何だかどうしてもモヤモヤするんだ。どうしようも無いのにね。
モヤモヤしながらマンガを読んで、19時前に東京駅に到着した俺は、すぐにメールの問い合わせをしたんだ。
新幹線の中では電波が悪かったんだ、きっとそうだ、そう思いながら。
でも画面には
「新着メールはありません」
試しにもう一回メールしたんだ。
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今着いたよ〜^0^
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って。
東京駅から自分の住処に向かう途中で返事が来るかなと思ってたけど、最寄駅に着いても、玄関先に着いても、ベッドに腰掛けても、それでも結局返信が来なかった・・・。
もう一通送ろうかなと思ったけど、しつこくするのもウザいだろうからヤメた。
でも、いつも以上に寂しさを覚えざるを得なかった。出会ってから今まで俺をシカトした事なんて一度たりとも無かったから。
いっつも優しくしてくれてた。いっつも笑ってた。いっつも楽しそうにしてた。
そんな彼を見てると、俺まで楽しくなってくるんだ。
俺の苦手な分野の勉強も、霧斗は丁寧に教えてくれるし、俺がエッセイに苦戦したあくる日、霧斗は疲れてる俺の肩を揉んでくれる。
色んな事が駆け巡って、どんどん寂しくなってきた。忙しいから返事出来ないんだろうけど、超自己中な寂しさを止める術なんて分んない。
寂しさと共に心配になってきたまさにその時だった。
着うたが鳴って携帯がブルブルした。メールだ。
俺はすかさず携帯を開いた。霧斗からだった。
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ゴメンゴメン、返信遅れた。
今からちょっと会えね?
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良かった・・・返事来た・・・。
でも・・・何かおかしい・・・。いつものきいちゃんメールじゃない・・・。話も微妙に噛み合ってない。
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良いよ〜!bどこで会う?
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ゆうん家行って良い??今新宿にいるんだ。
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OK!近めの距離じゃん。
もう家いるから!^^
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ありがと。じゃあ今から向かうね。
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明らかにテンションが違いすぎる。読んでれば気づく。
絵文字無しメール。普段から絵文字は必ず入れてる人が、絵文字の一つすらないメールを送る時は、その人には何かある事が多い。
最後のメールから30分くらい経った頃、玄関からノックが聞こえた。
俺「よ!」
霧斗「おう。お帰り〜^^」
笑顔の霧斗。でも、引き攣ってた。何かがあったと確信したけど、とりあえず俺はフツーに接する事にしたんだ。
俺「ほい、お望みの品!」
うなぎパイを差し出してみる。
霧斗「おお、ありがと。」
俺「俺ぶっちゃけあんまり好きじゃないんだよね(笑)」
霧斗「そうなんだ・・・。」
こんなテンションが低い霧斗は初めて。もう明らかだ。
俺は思い切って聞いてみた。
俺「きいちゃん、何か・・・あったんだろ?」
俺にそう言われた途端に目を逸らす親友。
俺「話してみろよ。な、きいちゃん。俺達何でも言い合える仲だろ?」
霧斗「・・・ありがとう・・・ゆう・・・実は・・・な・・・。」
俺「うん・・・どしたん?」
ちょっと間が空いて、ようやく霧斗は重い口を開く。
霧斗「俺・・・フラれたんだ・・・。」
続きます。