僕は24歳のどこにでもいそうなサラリーマン。会社では、仲のいい同僚もいなくて、なんとなく孤独な毎日。
でもいいんだ。寂しいのには慣れてる。学生時代から団体行動は苦手だった。
だけど、あいつと出会ってから、僕は変わった。
ゆうや「岩本さん(僕)、ちょっといーすか?」
ゆうやの名前は山口裕也。他部署で一つ年上。一つ年上だけど、ゆうやは大学院を出てるから入社は一年遅れ。
僕「何?急ぎじゃなけりゃ後にしてほしいんだけど」
ゆうや「じゃっ帰るくらいに声かけます」
あまり話したことないのになれなれしいな。僕はほんとにめんどくさいと思った。
夜7時過ぎに仕事を終えた。ちらっとゆうやのデスクを見ると席にはいなかった。トイレにでも行ってるんだろう。
めんどくさかった僕は「チャンス!」と思って会社を出ようと、エレベーターホールに立っていた。
ゆうや「岩本さ〜ん!ちょっと待って。僕もすぐに帰る準備するから!」
はぁ〜。ひとりで帰ろうと思ってたのに。
僕らはエレベーターを降りて駅に向かった。
僕「で、話って何?」
ゆうや「なんてことはないんだけど、今度合コンしない?」
僕「そんな話かよ。ごめんパス。会社でも友人がいないのに、急に楽しくはできないし」
ほんとの理由は僕が女好きではないからだ。行っても退屈な会話に付き合わされる。
ゆうや「そんな岩本さんが寂しそうだから誘ったんだよ。行ったら楽しいのに」僕「悪いけど…」
ゆうや「そうすか…無理にとは言えないし」
僕らはそれから無言で駅まで歩き、改札を抜けておつかれといい別の電車に乗った。