それ以来彼女はメールも電話もしてこなかった
俺に対して悪いと思ってしまったのだろうか・・・
俺は謝りたくて電話した
「もしもし・・・」
彼女は緊張した声で出た
「もしもし,あの前はごめんなさい」
「いえ私の方こそハシタナイことしてケンジさんを困らせるようなことして本当にすいません。私最低な女なのでケンジさんとお付き合いする資格はないと思ってメールも電話もしませんでした」
「俺が一番いけないんですよ」
「いえいえ私のせいです。私のこと嫌いになりましたか?」
「嫌いになんてなりませんよ」
「良かったぁ〜」
彼女はすごく安心した声で話した
うれしそうだった
俺はその喜んだ声を聞いて本当のことを言わなければと思った
「あの・・・俺・・・実は君に謝らないといけないことが・・・」
「え・・?」
「俺実は・・・」
「・・・」
「女の子とああいうことしたの初めてなんだ」
「え。・・・それって・・?」
俺はゲイであることを言うのは彼女にとってもこくだろうから,遠回りな言い方で言ってみた・・・
「ケンジさんは誠実な方なんですね!!だったらなおさら私が変なことしてしまってすいません」
えぇ〜なぜそういくかな?ピンとこないのかな?
俺は困った
「あの・・・またデートしてください」
彼女は恥ずかしそうに電話ごしに言う
俺はちゃんと言わなければいけないのになかなか言うことが出来ない
もしゲイだとバラしたら,そのうわさが広がり,職場まで行ってしまったらどうしようか。もしお客さんたちにまで広がってしまったら・・・そんなことを考えた
「あの・・・本当に言いにくいんだけど・・・・実は俺好きな人がいるから君とは付き合えない。その人と結婚する気でいるんだ」
「え・・・・」
彼女は黙った
「今まで黙っててごめん。君のうれしそうな顔とか見てたらなかなか言えなくて」
「そうですか・・・私はケンジさんのこと大好きでした。それだけでもわかってもらえたら嬉しいです。もっと早く言ってほしかったです。ケンジさんのこと大好きすぎてなかなか忘れられないかもしれないけどがんばって私忘れます。ありがとうございました。お仕事がんばってくださいね」
そして電話をきった
本当に最悪なことをしている
でもゲイだと言うより,良かったのではないかと思う
どっちが正しかったのかはわからないけど
俺は正直にゲイというのが怖かったんだ
うそをついて彼女を傷つけた
俺の心はズタズタだった