目を閉じる暁也。
俺も目を閉じ、その唇に自分の唇を重ねた。
チュッと唇を重ねた。
そして、何度も啄むようにキスをする。
「ん…ッ…」
俺の背中に回された腕に力がこもった。
必死に唇の動きを合わせようとしてくれてる。
だんだんコツが分かってきたのか、上手くなった。
だから俺は舌を入れてみた。
「んッ…」
短く声を漏らした暁也。
顔が見たいが、一度見たら見続けたくなりそうだから我慢。
歯茎を這うように舐める。
暁也の口が少し開いた。
俺の舌は全自動のような感じだった。
次はどうするじゃなく、本能的な感覚で暁也の口腔内を這っていた。
暁也もぎこちない感じで舌を動かしていた。
絡み合う舌。
混じり合う唾液。
高揚し荒くなる呼吸。
俺はケータイを取り出し、薄めを開けてケータイをカメラモードにした。
そしてキス写メを撮った。
ちょうど風の音で聞こえなかったのか、暁也は何も言わなかった。
だから調子に乗ってムービーを撮ってみた。
これにも気付かなかった。
可愛い初キスの写メとムービー。
初めて撮ったな。
いったん唇を離し、外を見た。
いつの間にかだいぶ下にきていた。
「トイレ行こっか」
「ぅん」
暁也を膝の上から降ろし、観覧車から降りた。