晃さんの家は、僕のバイト先からはそんなに遠くなかった。自転車で5分くらいの場所だ。
結構おしゃれできれいなアパートで、部屋は清潔感に溢れた、シンプルな感じだった。
「シンプルで一人暮らしって感じですね!」
「物置きすぎると掃除が面倒なんだ(笑)まぁ適当に座って?ビールで良い?」
「あ、はい、いただきます。」
なんかすごい緊張している自分に気付いた。
「お客さんとこんな風に飲むなんて、初めてです(笑)」
「さとし、そろそろ敬語止めようよ。俺らもう友達じゃん?今はバイト中じゃないんだしさ(笑)」
気さくで優しく笑う晃さんに、またドキドキした。
「じゃあ、敬語止めます・・・あ、止めるね(笑)」
ビールと軽いおつまみが出てきて、乾杯すると、二人してグイッと飲んだ。
「あ〜美味い!」
晃さんはそう言った。
「さとしはあのバイト長いだろ?」
「もうすぐ2年目かな。ってか、なんで長いとか分かったの?」
「慣れてる感じがしたし、何よりレジ打ちが早い(笑)両手打ちは初めて見たよ。」
「コンビニでもバイトしてましたからね(笑)」
「モテるだろ?」
「いや〜、年上受けは良いけどおばちゃんばっかり(笑)」
「ホントか?こんなカッコいいのにな〜。」
晃さんが僕の顔を見てくる。
また緊張しちゃって、恥ずかしくて顔を逸らした。
「なんか、さとしはカッコいいけど可愛いのもあるな。」
「んなことないって(笑)」
笑ってごまかしたけど、晃さんが急に静かになった。
続く