高1の夏。
放課後、水泳部が利用しない曜日は俺と直樹が使わせてもらっていた。
先生はいるけど自分の用事があるから全く見に来ない。
「まだビート板なきゃ無理か?」
「悪い…」
俺はまったく泳げない。
小学生の頃に溺れてから水が少し怖い。
「じゃあ…一昨日の続き」
「ビート板なし?」
「もちろん」
直樹は同じクラスの親友。
いや…俺からしたらそれ以上の存在。
「ほら。手ぇ掴んで」
イイ兄貴分みたいな感じ。
兄貴が直樹だったらいいなぁなんて何回も思った。
本当の兄貴は乱暴でスケベで飲んべえで守銭奴で…。
まぁたまに優しいけど。
俺は直樹に手を引いてもらいながら水面に顔をつけて泳ぐ練習をした。
「今日はこんなもんかな」
「いつもありがとな」
「いやいや。その代わり勉強教えてな」
「そんくらいなら」
そんな会話をしながらシャワールームに行く。
個室(つっても足とか胸から上とかが見える仕切りがあるようなモノ)に入りシャワーを浴びた。
水着も脱いで全裸で浴びる。
「チンコチェック〜」
直樹が隣から覗いてきた。
「前と変わらねぇだろ」
「ん〜そうだな」
もう慣れたことだ。
最初は恥ずかしかったけど、今じゃ裸くらい普通だ。