フラフラと帰ってた。
時間は夜中の1時半。
友達と楽器弾いてたで通じる…かな?
そんなことを考えながら歩いてるときだった。
「奏…か?」
「え?」
智也…。
なんでここに…?
「どうしたんだよ?」
「智也こそ」
「俺は腹減ったから夜食買いに」
「俺は散歩」
「そうかぁ」
二人でゆっくり歩き出した。
「なぁ大丈夫か?」
「大丈夫だから」
普通に歩いてるつもりなんだが…。
そうは見えないらしい。
「尻…痛いのか?」
「ぇ…あ?」
なんで知ってる?
「歩き方、なんかそんな感じがする」
どんな歩き方だよ。
「見てやろうか?」
「ばかッ!」
なに言ってんだ!って言ってやるつもりだった。
ふざけてだと思ったから。
でも、智也の表情は真顔だった。
「んな恥ずかしいとこ見せられねぇよ」
「そうか?あんま無理すんなよ」
「もし…」
ただの思い付きだった。
「もし見せてもイイって言ったら…」
言わなくてもイイコトなのに。
「見て…どうしてくれる?」
「○○(外にも中にも使える有名な痔の薬)」あるぞ」
「なんで」
「じいちゃんがな。余分にあるから使ってもイイぞ」
どうしよう。
見せるか?
見せないか?
「薬は…イイや」
「なんで?」
「だって悪いし。それにまだそんなの使いたくねぇし」
笑って話をそらすことにした。