僕「…な」
ハヤト「その。……。」
僕「?」
ハヤト「俺もお前が好きなんだよ、冗談とかじゃなくて、、」
僕「ぇあ……」
ハヤト「ごめん。なんか…いっつもお前がかずみの事嬉しそうに話してて、それ聞いてるの、俺結構辛くてさ。だから冷やかしたりして。」
呆然とする俺に、ハヤトはいつもより早口に話し出した。
だけどハヤトの話よりも、意識はキスの感触が残る唇に向く。
ハヤト「この前ケーイチにムカついたのはお前のこと悪く言われたからで。今日はあいつ殴っちまったし。」
僕「…え?」
不意に目を合わせてしまった。
ハヤト「お前のこと話のネタにしてんの見てたら、つい…。なぁ俺じゃ…ダメだよな。俺男だもんな」
ハヤトが掴みっぱなしだった僕の手をパッと放した。
ハヤト「はは。なんかこのままじゃ押し倒しそう」
苦笑いしながら言う。ハヤトが男の僕に。
時計の針の音が聞こえだし二人に静寂が訪れようとしたとき、それを察したかのようにハヤトは立ち上がる。
ハヤト「ごめんな。いろいろ。…ばいばい!」
ドキドキした。目を合わせてからはどんどんドキドキがふくらんで。。もし押し倒されてたら抵抗できたかな…?
ハヤトに恋しちゃいない。僕の好きな人はかずみ一人。だけど、なんだろ。初めてのことで頭ん中ぽーってなって。
どーしよ。どーしよ。ちゅうしちゃったんだよ?どーしたらいいんかな。どーしよ。
具体的には何も考えられない。ただひたすらに「どうしよう」が巡るばっかりで。
十分…三十分…一時間…二時間…
布団に入るころ、やっと今日の出来事を振り返ることが出来た。
ハヤトにキスされた。
男だよ?ハヤト何考えてんの?…でも、冗談じゃないって。まさか。
かずみにバレたらなんて言われるかな。。ヤだな。考えたくない。
どーしよう。やだよ。なんであんなことしちゃったんだろ、、、。
また泣いた。