しばらくして彼が自分の荷物を持って帰ってきた。
俺は気まずかったので、頭から布団をかぶって寝たふりをしていた。
「センパイ…教えてくれるんじゃなかったんすか?」
「冗談に決まってるやん(笑)!しんどいから寝る!」
「そんなー…教えてくださいよー」
と言いながら俺のベッドに無理やり入ってきた。
「ちょ、おま…」
「センパ〜イ、俺真剣に困ってるんですよー。」
俺に甘えるようにして抱きついてきた。
「わ、わかったから。仕方だけな!」
「よっしゃあー!!」
お互いベッドの端に並んで腰かけた。
「…それで、こんな感じでいいムードに持っていったら、手握るとか肩を抱きよせるとかして…」
「こんな感じっすか?」
と言いながら、俺の目を見つめ手を握ってきた。
俺はビックリして思わずその手を振り払った。
「俺にしてどうすんの!?」
「だって練習させてくれるって言ったじゃないですか?」
「あれはウソだって!俺、男だよ?気持ち悪くないんか!?」
「そんなことないですよ。先輩かわいいですし、先輩となら…。」
イケメンに真顔で言われてしまい、俺はマジ照れして赤面してしまった。
「それとも俺、キモかったですか?」
ベッドに顔をふせて泣きマネをはじめた。
「いや、そういうことじゃなくて!祐介はかっこいいと思うけど…」
「じゃあ、いいじゃないっすか。」
彼はバッと起き上ると、俺の肩を片手でグイと引き寄せた。
そして―
「――ッ!!!」
俺は彼に強引にも唇を奪われてしまった。