『せめてこれくらいがんばらんな。』…と。
どうしてこうも間の抜けた、ちょっと笑える空間に僕たちがしているのかわからなかった。エロい雰囲気を体験してみたい好奇心と、それに耐えられない羞恥心ということが、恐らく…でくらいしか。
んー…せやなぁとか言いながらキレイに割れた腹筋をさわる。
「優史はあったかいな。」『いや、寒い!冬やぞ、冬。』
「じゃぁ…。」
僕は、抱きついた。体勢的に、全体重を預けたことになる。
優史はもちろんという感じで、包み込んでくれた。どこまでもあったかかった。
1回だけキスをして、また抱き締めた。
しばらくして、石油ストーブが音をたてて付いた。
次は、と思うと頭が真っ白になる。余裕のない顔を隠すにはこの体勢がちょうど良かった。
あと、2枚しか着てない。
『やっぱ背中が寒いやろ?布団中入ろうぜ。』
ちょっとくっついて横に並ぶ。顔が見えるようになって、余計にどうしたら良いのか分からなくなった。妄想のように、簡単には進まない。
「触って…いい?」
どこをとは言えなかった。言わずとも分かっていた。
『じゃぁ俺もさわるで。』
お互い向かい合って、相手のものに触れた。なんか変な感じがした。ついでに、ゴワゴワした。
『俺のより小さいかな。』
優史には言わなかったが、僕も優史のが自分より小さいと思った。お互い縮んでいるみたいだった。「うるせぇ。体格的に、優史のが有利やもん。」
どんどん大きくなってきた。
優史の方が大きく思えた。
直接触れてみたくなった。
まずは、ジャージをすり抜け腹筋を触る。ヘソからゆっくり親指でジャージのふちをなぞり、親指だけジャージの中にいれる。爪が捕らえたのは、柔らかいボクサーの生地。ゆっくり他の指も入れていき、指先が根本を捕らえた。
なにも言わずに、全体を包み込む。あったかい。ちょっとしっけてる。
同じ要領で、パンツの中に手をいれる。毛がある。棒があって、先が濡れてる。やっぱでかい。
心臓がバクバクして、張り裂けそうな状態。
『あっ、直接やん。じゃぁ俺も。』って言ってズバッとパンツごと脱がし、触られる。
『なんかすごいエロいわぁ。』
内心すごい雰囲気ぶち壊された。というか先に行動するのがすごい緊張する。
僕もすかさず、全部脱がした。
二人を隠すものは、布団だけ。