保健室には、(読者の予想に反して)保健室の先生と同じクラスの女子二人がおり、片方はヒザに絆創膏を貼ってもらってるところだった。
宮野あたしらに欲情?と笑われ、優史もクスッと笑った。またその笑顔がさわやかだった。
体育で当たり障りのない会話を毎回交わすなかで、僕は優史の笑顔に惚れていた。
しかし、同じクラスでも、部活でもない以上、それ以上はなにもなかった。
高校2年の春。
あんな爽やかボーイが理系のはずがない…。そう思いながらも、夢のために理系のクラスに。
僕の学校には理系は1学年に1つ。2年間一緒。
いた!優史や。
舞い上がりながら、ちょっと喋りかけに行った。
でも同じ他愛のない会話だったし、優史はいつもあんまり喋らないし僕ばかり喋る。
でも、これだけ覚えてる。
優『これからもっとなかよなれるな。』&さわやか笑顔。
クラスの係りも同じ図書委員を話し合って選んだ。他の友達たちが僕に同じ「掲示係」を勧めたが、しっかり断った。
授業は全部同じ。1年の時にはなかった喜びだった。
優史は、クラスでは目立たず座って周りの誰かと話すだけ。でも、やっぱり優しさは光っていた。
みんなが立候補しないものは、優史が立候補するし、クラスで起きたイジメも、優史が助けて幕が閉じた。
夏休み前のテスト初日。急に、
優『テスト終わったら遊びにこぉへん?』
もちろんオッケーした。
そして、意外な提案。
優『テスト良かった方が、一個ゆぅこと聞くってどう?』