幸せに酔いしれていると、突然、どこからか、聞き覚えのある音がした。
ピピピ…?ピピピ…?
音が近付き、彼の姿が朧気になり、いつもの天井が、目の前に広がった。
夢、かぁ………
現実に気付いて、肩を落としてしまった。
案の定、トランクスには染みが出来、股間は大きく膨れていた。
今すぐ処理したい気持ちだった。
しかし、携帯がやかましく鳴るので、取ってみると、誠からだった。
「おはよう…」
「あれ?寝てたー?」
「当ったり前だろ…今、起きたよ」
「余裕だね〜補講があること覚えてる?」
今日は、祝日だが、日程の関係から、昼から1時限だけ補講が実施されるのだ。
誠に言われるまで、すっかり忘れていた。
「あぁ…忘れてた。ありがと」
「やっぱり。義哉、忘れやすいからな〜」
いつものやり取りに、股間の膨らみが萎えてきた。
「あぁ、良い彼氏を持ってラッキーだよ」
浮気する夢を見ていたばかりだというのに、我ながら白々しいなと思った。
だけど、浮気したわけでもないからと開き直ることにした。
「ホントだよ!感謝しろよーんじゃ、教室で♪」
照れたのか、誠は、早めに電話を切ってしまった。
少し寂しい気持ちになって、シャワーを浴びることにした。