ビデオから女の喘ぎ声が聞こえる。
モザイクはないから無修正モノだろう。先輩はこういうのが好きなのかなぁ。
「どうだ?すげぇだろ!?」
「んー、まぁスゴいっすね。」
実際は、どうでもいい。
「なんだ…。連れねぇなぁ。俺はもうビンビンなんだけどな。」
ビンビンって言葉につい反応してしまって先輩の股関を見ると、まさに言葉の通りだった。
…ってか、ヤバいぐらいデカいじゃねぇの!?パンツの上からの見た目だけでも俺の一回りか二回りりはデカい。
「おッ!?サトちゃんも立ってんじゃん。ムッツリだねぇ♪」
あんたの股関見ちゃったからっすよ。
「そりゃ男ですから…。ってかかなりデカいっすね。それ。凶器っすよ。」
「ほぅ…。凶器かぁ。まぁまぁ当たってるな。」
先輩はいきなり爆笑しだした。
「実はな、彼女と別れたのってこの凶器のせいってのもあるんだよ。痛くて入れられなかったんだよな。それであいつは我慢できなくなって他の男の所に行ったってわけだ。」
言い終えたころには先輩の笑顔は消え、なんだか寂しそうだった。
「それで、俺も溜まりに溜まっちゃってせっかくの休みに男と二人でむなしくビデオ見てるってことだよ。」
先輩が無理に笑おうとしているのがわかる。
俺にできることは何かないだろうか。バカな頭で必死に考える。
「先輩…。」
「ん、なんだ?」
先輩はビデオを眺めているが、焦点がそれには合っていない。
俺は意を決して言葉を出した。
「俺のケツ入れてみません?」
もう引き返せないところまできてきまった。