春休み、嶺と俺が過ごす時間は減っていた。
嶺が特進クラスにあがるために補講を受けることになったから、部活にでれなくなったためだ
俺は嶺が部活に出れないって聞いて気落ちしてた
「嶺が部活いないなら行く意味ねーし」
今考えると、ただの友達に何言っちゃってんだろー、俺
って思うことも結構言ってたと思う
そのくらいの時期に上戸彩のドラマをやってて
俺が嶺に「上戸彩でてる☆」ってメールしたら嶺が「好きなの?」って聞いてきたから「嶺のが好き 笑」って送ったら「ありがと☆」って
そんなやり取りを俺から仕掛けて、嶺も相手してくれてた
俺はそんな嶺の行動に何度も勘違いしそうになった。けど、その度にギリギリのところで「そんなわけない!!嶺は冗談だ!!!」って自分に言い聞かせて、結局最後は俺が笑ってごまかすのがパターンだった。
そんな俺ら二人の調子だったから
その春休み中の補講も「寂しいー」とか「部活でない」とか駄々こねる俺に嶺は
「じゃあ、昼一緒に食うか」
って言ってきた。嶺は補講の休憩時間で、俺は部活前。時間はギリ会うかなくらいだった。
結局それは嶺の補講が延長したりで、微妙に時間合わなくて一回も実現しなかったけど
そう言ってくれるのが嬉しくて、嶺が愛おしかった
そして、その気持ちがだんだんと俺の嶺への独占欲に繋がってくのにはそう時間はかからなかった
けど、この独占欲が嶺も周りもギクシャクさせて、俺自身も苦しめることになっていったんだ
俺は嶺と二人で勉強しようとしてるときとか、二人で帰ろうとするときに
誰かが来たりするとあからさまに機嫌が悪くなったりした
自分で「ダメだ!」って思っててもどことなく態度にでちゃう
でも、いつも後になって反省するけどその繰り返し…
石原にはそれできっと何回も嫌な想いさせたと思う……
ホントに嫌な奴だったと思う
嶺にも何度もなだめられたりした
けど、間が悪いっていうか…だいたい石原がそういうタイミングでやってくるもんだから
何されたとかじゃないのに、若干マジでこの時期石原が嫌いになりかけた 笑
石原がなんかしたわけじゃないって分かってるのに 汗
そして春休みももう終わりで
もうすぐ嶺と念願の同じクラスになれる!!
俺は毎日、ヤキモチ(?)妬きながらも楽しく過ごしてた
自分の気持ちを隠すなんて、今の幸せがあるならどうってことない
そう思えたんだ。
なのに、人間ってなんでこんなに欲張りなんだろう…