そういうと優は教室へと歩き帰っていってしまった・・・。
するとヒロが言う
ヒロ「樹?優の言う事キツイいい方だったかもしれねぇけど。何かあったら俺らを頼れよ?なんやかんや優が一番心配してたんだぞ?亮やカズだって、俺だってそう。お前全く音信不通なんだもん。もうな、優とかやばかったぞ?「「あいつ学校辞めたらどうしよ」」とかなんか言ってたもん。あいつの気持ちもなわかってや ってくれ。あと自殺するなんてやめろよ?俺も一樹先輩がそんな事したなんてわかったら、かなりショックだぞ?自分の体はもっと大事にしろよな?次サエちゃんの授業だからちょうどよかった。教室いこ?」
手を差し出すヒロ。俺はそれを握る、ヒロの笑顔もやさしい笑顔だった。
俺は優や海先輩に言われて色々気づいたんだ、一樹先輩は笑ってほしいって言ってた。しかも俺にはこんな素敵な仲間がいるのにそんな仲間には心配かけてばっかり、でも優だって心配してたからこそあんなに切れてたんだろうって考えると。言われてるうちが華って本当によくわかる・・・。
言われなくなったら本当におしまいだもんね・・・・。
本当にみんなありがとう、本当にこいつらには頭があがらねぇ・・・。
教室について授業がはじまる、サエちゃんは俺が学校に来ていたのを見てちょっとビックリしてたみたいだった。
授業終わりの10分前、サエちゃんは俺に言う。
サエ「みんな!五十嵐が学校きたって事でこのクラス全員そろったわねー!んじゃ五十嵐自己紹介して。あんた休んだぶん授業終わるまでひたすら自己紹介ね。」
そういい自分はサカサカ後ろに歩いていく。俺はどうすればいいのかわからずにアタフタ。。。
サエ「前に出て自己紹介すればいいのよ。あんた2週間も休んだんだからね、もうみんなとっくの昔に自己紹介してんんだから」
そういわれ俺は前へ歩いて自己紹介をした、普通に10分も話せるはずなく・・・wまぁそこからはなんかミッキーのモノマネやって時間稼いで終了。
みんな笑ってくれて本当によかった、そこからみんなは俺に色々話しかけてくれたりして本当に中に溶け込んでいけた。
文系の特進って事だけあって男少なかったから男とは本当すぐ仲良くなり、優とは俺が謝ってなんとかお許しをもらって、亮やカズからも厳しいお言葉がありながらも「戻ってきてよかった・・・。」って言われて本当に心配かけたんだなって改めてわかる・・・。
俺はそれから新しい2年生の生活をスタートさせた。
一樹先輩が望んでた笑って歩く、俺は先輩との赤い糸を信じ、この新しい仲間とともに「また先輩と逢える」って信じて笑って前へと踏み出す事にした。2年生のGW手前のこの暖かな日、俺は一樹先輩のいない日々を過ごす事を決心したんだ。
先輩がいなくなったショックや傷は本当に深かった、だけどそれを補ってくれた仲間・・・。
優・ヒロ・亮・カズ、お前らは俺にとって最高のダチだよ。先輩がいなくなってもお前らがいてくれたおかげでこのあと何回も助けられたよね、今でも残るこの手首の傷はもう消えないのかもしれないけど。心の傷はお前らのおかげでずいぶんと早く消せる事が出来た。この場を借りていいたい、本当にありがとう。
一樹先輩がいない日々・・・。それはやっぱり寂しいものだった、それだけ彼の存在がでかかったんだなって思う。
でも仲間がいた、それはとてつもなく大きなものだった。
でもたまに俺は先輩の夢や先輩に似た人の姿を見ると急に心が痛くなる
今までに感じた事のないくらいにそれは痛いものだったと思う
そんな風に日常生活が過ぎていく。
毎日遅くまで勉強して、部活をやって。たまの休みにはみんなで遊んで、ごくごく普通の高校生活っていう感じだったと思う。夏には伊豆に旅行にいって海に入り、ただでさえ部活で焼けてるのにまたさらに焦げwカズがナンパしはじめたりとか本当におもしろい夏をすごす。部活は、海先輩達が引退し、新しい部長に同じ学年で一番シッカリ者の奴がなった、そいつは元9で本当に信頼できた・・・。
海先輩は引退してからも俺の事を気にかけ、たまに飯をおごってくれたり。受験なのに本当に嬉しかった・・・。そして先輩は今俺と同じ大学の違う学部にAOで受かった。
それは本当にすごいことで俺も精一杯祝福した、自分の事のように海先輩が受かったのが嬉しいなんて本当バカですよねwwww先輩には「お前が受かったんじゃねぇんだから!主役は俺!!!ったくwww」って言われたくらいw
一方新しいクラスは女の子が完全に分裂して、みんな仲良しっていう感じではなかった。女の子同士のいじめとか、裏で陰口いいまくり。そんな感じでもうクラスはグチョグチョ。
ただ男は少なかったから本当みんな仲良かったし、多種多彩の人種いたんですごいおもしろかった。
そして月日ま何事もなくもう冬を向かえようとしていた、
この時期になると優とカズにはそれぞれ彼女が出来ていてなんかものすごくラブラブで羨ましかった、それはまるで俺と一樹先輩を見ているような感じ。
たまに彼女と帰る二人を見てるとそれが何故か男二人の制服にかわって・・・。なんて事もあったくらい、ただそれでももう泣く事はない。ただちょっと胸が苦しくなるだけ、それでも俺は春や夏に比べたらずいぶん胸の苦しみはなくなったと思う。
二人とも俺の前では気持ち知ってるから何も言ってこなかったけど本当に好き同士で付き合ったから幸せだったみたいだった。そんなやさしさもまたうれしかった。
終業式が終わり、もう年末。俺は親がばぁちゃん家で年越しをしようって言ってたので今年も京都で年を越すこととなった。
京都の冬は本当に底冷えが酷くて寒い・・・、なんか心に風が入ってくる感じでイヤだった。
しかし京都の親戚はそんな事知らずに俺に話しかけまくってくる。
俺のイトコは年近い子が多くて本当に話しやすい
まずT(名前だすのめんどくさいので親戚はこれでw)これは俺とタメで男。こいつは野球やってて、背も俺なんかよりデカイしガタイもいい。本当に体育会みたいな奴。
そしてH、俺の1個上の女の子。関西の女の子っていうかんじ、京都じゃなくて神戸とかにいそうな感じの子。
この二人は本当に仲良しっていうか、なんだろ喧嘩しまくっててもなんか仲良しっていうのかな。二人といると本当に俺も面白くなる。
T「樹ー!ようきたなー!夏来なかったやろ?俺ホンマ落ちこんだわー」って俺の肩にパンチw
H「樹はあんたみたいなアホとちゃうから忙しいんよ。あんたもちょっとは勉強したらどうなん?」と相変わらず厳しいHw
樹「あ、H。同志社の指定校でいけたんだって?おめでとー!」
H「ありがとうなー!いや、まさか指定校でいけるとはおもわんかったわw」
T「どうせ裏や裏。同志社の質が下がんでー。こいつおると」
H「T!あんたよくそんなこと〜」
なんて本当によく喧嘩する二人wなんかとってもバカだなーとか思う。
俺はそれからTに色々なところに連れて行ってもらった。Hは彼氏とラブラブであんまり俺にかまってくれなかったwww
TはTの友達と俺とで遊びにいって、漫才みにいったり。USJいったり本当その年の年末は一樹先輩の事との年末を忘れさせてくれるくらい楽しかった。
そして年があけ、その日は朝、北野天満宮におまいりに。
T「ここ学問の神様やからな、来年の受験の事でもおまいりしときやー!」って俺も知ってるってのwwってツッコミたくなったw
樹「そーだな。Tはどっか行きたい大学あんの?」
T「まぁ近いから立命か同志社いけたらええなー。まぁ関学も捨てがたいな」
樹「へー。そうなんだー」ってあえて興味ない風にいってみた。
T「なに?俺なんかじゃ受からんみたいな感じやなー。お前来年俺より低い大学いったら笑い飛ばしたるからな〜?」ってムキになるT。
なんかTは本当、誰だろ。亮やカズみたいな感じだからなんかカラカウと面白いw
T「そういえば、樹。神戸とかいったことないよな?大阪ばっかやったから今日は神戸いこかー。」Tは俺と先輩の事何もしらない、俺は神戸っていう言葉に一瞬ビクってする・・・。
先輩に逢えるなんて思わない、むしろ本当に関西にいるなんてわかんない・・・・。ただホンノちょっと先輩が言ってた運命の赤い糸っていうの信じてみようかな・・・・。
でもなんかその日は神戸いくって聞いたときから胸がどくどくしてたんだ。それは緊張とは違う何か・・・。
俺は神戸にいってみたいって一樹先輩がいなくなる前からちょっと思ってたんでTに言う。
樹「神戸いこうかー!横浜とどれくらい似てるのかみてぇし。街綺麗なんだべ?」冷静に言えたかななんて思いながら俺は言う。
T「せやなー。俺もそんなしょっちゅうは行かんから詳しくないけど、街は綺麗やと思うで。」
そういい、Tと俺は神戸に行く事に決定。Tが家に帰って神戸いってくるって言ったらHが出てきて。
H「樹と遊んでないから私もいくわー!」ってメッチャオシャレして出てきた。
T「なんでそんな気合入っとんねん。おばはん」ってTが茶化す。
そんで3人で神戸に行く事になった。
阪急に乗ってワイワイがやがや話ながら十三で乗り換えて神戸線?に乗った。
だんだん街が神戸っぽくなってきて六甲山でしたっけ?山や海がうっすら見えて、なんかすごいなーって思ってた。
途中の止まった駅でフッとホームを見る。
人がたくさんたくさんいるこの駅。でも俺は一点の男を見つめてしまった・・・・。
背の高い制服きた男の人、英単語帳のターゲットをもって口ずさんでる・・・・。その人はとっても目立っていて・・・。
なんか髪もメッチャバッサリ切って、ほんの1年ちょっとなのに顔つきが違う気がする・・・。顔がますます小顔になったのか。顔がこけてるのかわかんないけど。
別人だって可能性あるのに・・・。けど俺はどこかに確証をもっていた・・・。
懐かしいあの人が新しい学校の制服を着て目の前のホームに立ってる・・・・。
その人はまさしく一樹先輩だった。
一樹先輩はこっちには気づいてない、俺はただ一樹先輩を見てるしかなかった。本当に電車が止まってるちょっとの時間・・・。
大人っぽくなった一樹先輩は本当にかっこよくなってたと思う、なんか一皮むけたっていうか・・・・。あの無邪気な先輩じゃないみたい・・・・。俺なんか何一つかわってないのに、先輩はちゃんと前に進んでるんだ・・・・。俺は自然と涙が出てたんだと思う、もうこんな一瞬でも涙が出るくらいあなたを見れただけでも嬉しいんだ・・・。元気そうでよかった・・・・。