3車両くらい過ぎたとこだったかな。次の車両に差し掛かるとき見覚えのあるラケットバッグと自分と同じ制服のズボンが視界にはいってきた。上半身は椅子の1番端のついたてで見えなかった。
でも、それは間違いなく嶺だった。
オレは何か心にのしかかってきた恐れてたことが起きたみたいに。
『やっぱり階段の上にいたのは嶺なんだ…オレを避けたんだ…』
そう思うとこれ以上嶺に近づくのが怖かった。
でも行かなきゃ…『嶺に謝らなきゃ、謝ればきっと大丈夫、嶺なら許してくれるよ…きっと』その想いだけにすがってオレは一歩ずつ嶺に近づいてった。
そして、嶺の正面に立ち止まった。嶺は目をつむってた
オレ「嶺…?」
嶺「…」
嶺はちらっとオレを見たあとまたすぐ目を閉じて無反応だった。
「嶺?昨日はマヂごめんなさい。オレほんとはそんなつもりなくて、あのメールは品田に送ろうとしたんだ…でも本心じゃないんだ…ごめんな?」
それでも嶺は無反応、目をあけているけど決してオレの方をみてくれない…
オレ「ホントごめん、オレ本当にそんなつもりじゃなかったんだ…ごめん」
オレはそれでも謝り続けた。けど嶺は聞いてくれてるかどうかもわからない…
明らかに自分が悪いけど、嶺がそんな態度をとることがなかったからオレはどうすればわからなかったし、ショックだった。
とにかく嶺が聞いていようといまいと謝るしかないと思って、必死に謝り続けた。てか、もはや自分で何いってたかよくわからなかったと思う。今思いだそうとしても覚えてないし 苦笑
でも周りから見たら、見苦しいし聞き苦しいくらい必死だった。延々と30分近く謝り続けたと思う。
それでも嶺は無反応。
結局、嶺が一度もオレを見ることもなく、話してくれることもなく電車は駅についてしまった。
電車おりても食い下がり続けるオレ…
改札でたとこでようやく、嶺がこっちを向いた
オレはようやく話せると思って、期待した
けど、嶺の口からはそんな期待を粉々に打ち砕く言葉がでてきた
嶺「おめぇ、どこまで着いてくるつもりなの?着いてくんじゃねぇーよ」
そんなことを言われた。けれど、オレはようやく口を聞いてくれるチャンスを無駄にしまいと必死。
オレ「いやだって、話してくんないしオレまぢ反省してるから…ごめん…嶺に朝避けられたと思って、ホント悪いことしたんだって思った…ホントごめん!!」
オレはとにかくここがチャンスとばかりにたたみかけた…けど
嶺「避けられたってわかってんなら、くんじゃねぇよ。お前このあともついてきたら覚悟しろよ。オレはおめぇと話すつもりねぇーから」
……オレはさすがにそこまで言われて食い下がんのをやめた。
てか、ショックで嶺についてく気すら失せた…嶺にそんなキツイことを言われるなんて思ってもみなかったから。
嶺はそんなオレを振り返ることなく、学校に向かって歩いてく…どんどん嶺との距離が開いてく……最後には嶺の存在すら見えなくなった。
オレは一人駅の改札で突っ立ってた…別に誰を待ってるわけでも待ち合わせしてるわけでもなかったのに。ただ、呆然としてた。
『嶺はオレのこと嫌いになったんかな…もう二度と口聞いてくんないのかな…どーしよ、オレどうすればいいんだよ』
自分がしたこととか反省することを忘れて、オレはとにかく嶺が離れてってもうこれからずっと話せなくなりそうな気がして、もうどうしようもなくやり切れない気持ちでいっぱいだった…
『なんでメールなんか送り間違えんだよ…』
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一回きります。